マシュマロの質問箱に来ていた質問で、常に本音を隠して建前で生きているのが辛い、という趣旨の内容が来ていました。
 
 私としては、建前を取り除いた本音って、今まで以上に居心地の悪い状態になると思うのですよね。


 例えば「僕はいま貴方と一緒にいるととても気分が悪い」と思ってるわけですよ、本音としては。だけどそんなこと言ったら相手が怒るに決まってる。傷つきもする。

 何故建前があるかって、相手を傷つけないため、というか、相手の気持ちにダイレクトにメッセージを届けすぎないため、の行為であります。

 今はさすがに無いらしいですが、京都と言えばぶぶ漬け。玄関でいつまでも長話をする客人に、どうぞ上がっていってお茶漬けでも食べていきますか?(お茶漬け出す程度のもてなししかする気がない気分です)ってやりとり。

 建前につぐ建前で一発聞いただけでは何を言ってるのかわからんけど、察して下さいというやつで。

 相手に本音を伝えるのって、伝えることがゴールじゃなくて相手がそれによって怒ったり悲しんだりリアクションがかえってくるまでがセットで、建前よりも抜き差しならない状態に陥りやすい。

 なので普段から本音なんてそもそも出さないほうが賢いし健全な精神状態でいられるのだからあまり本音が話せないことについて悩むのはもったいない気がしました。

 ただ、相手の顔色のみに合わせて本音が言えないというのは建前とはまた別の問題なので、その場合は別の手立てが必要になってくると思われ。自分の本音よりも相手の顔色に押し切られてしまうのであればそれは自信の心が揺らいでいる状態であり、例えば自尊心の欠落とかその目の前の状況にたいするリサーチ不足とか経験値不足とかそういうものになります。対応策はそれらの穴を埋めることに。

 みんな本音はうまく隠して生きているので、むしろ本音言ってくる人には何かしら嫌な気持ちになってしまったりもしやすい。「私だって我慢してるのに」と。それとか、その本音で場が乱れることについての収集はどうするのか、とか。怒っていたり狂っていたりするとこのタガが外れてしまう。場合によってはそれで色々詰む。

 本音を伝えるというのは結構勇気が必要になり。その勇気を振り絞るというのが本音を話す条件なのかもしれないです。嫌われる勇気が流行ったのもこれですね。みんな本当はもっと本音が話したい。

 上手に本音を隠し、建前で周囲を動かしながら、自分の本音を上手く盛り込むことができる人が賢い人なんだろうなぁと思います。本音というものの扱いはとてもむずかしい。こと日本社会においては。なのでその本音を言いながら上手く行ってる人がことさら眩しく見えてしまったりもするのでしょう。

メールするほどでもないし、かといってコメント欄に書くのも違う、みたいな質問とかありましたらこちらのマシュマロのページに投げてみてください。
https://marshmallow-qa.com/majikuzu_