起業して半年が経った。準備期間から考えると1年経った。ジェットコースターのような日々が過ぎ、定期的な振り返りをしようと思った。私は基本的に良かったこと探しが好きなので、良かったことを羅列しようと思う。



■世の中の金の動きについて理解力が高まった

 私は特に技術畑に居たので、世の中の金の動きというのに結構無頓着だった。例えば今目の前で作業しているPCやモニタの原価や卸先についてなんて考えなかった。いや別にそこにリソースを割くより別の技能習得とかサービス提供に力を入れるために雇用されてるんだから、考えなくても良いっちゃ良かったのだけど。

 しかしながら金の動きが見えてきた、これが本当に嬉しい。世の中が貨幣経済な以上、金というものの本質にタッチ出来ないのは野球のルールを知らずに試合をしているようなものになる。

 今回は金の話題じゃないから深い言及は避けるものの、ようするに経営とは自社の、他社の、世の中の金がどう動いていてそこからどういただくのか、というの構造を見る上で最も良い土壌なのだというのがわかった。


■自分の給料を上げるという考え方

 金の話に付随する点として、自分の給料の上げ方とかがなんとなくわかった。詳しく書くものでもないとは思うけど、多分経営側が考える給料の上げ方に沿える人だけがガンガン給料あがるのだと思う。この傾向は今後更に世の中的に加速すると思う。というか既に「スーパースターに富が集中」という現象が顕在化しているので、間違いない。


■仕事の質は大事だけど大事じゃない

 仕事の質にだけこだわるのは「評価されるため」の姿勢としては間違っていないけども、仕事という全体枠を見た時は必ずしもマストな答えではない。だから大事だけど、大事じゃない。

 「100%良い仕事をする」という感覚よりはいかに「早急に70%を仕上げるか」という方が経済的価値は高い。現状。70%というのはリリースが可能な平均値として定義する。

 100%良い仕事というのは、70%の仕事に持っていくよりも労力が極めて高い。なのに、意外と「市場は」それを評価しない。つまり70%以降のこだわりというのは自己満足との戦いになっていく。


■世の中を見つめていると自分が出さなければならない平均点が分かる

 逆に普段からニュースとかせめて自分が攻め込もうとする界隈の情報を集めていないと、平均点が見えない。自己評価も出来ない。評価を決めるのは市場であり、自分でも会社でもない。

 起業してよかったのは会社員フィルタではなく直接外部の企業や世の中に対して価値を提供できる立場になったことか。


■何のために仕事をするのかが社員時代より見えた

 前の話題に紐づくものとして、結局世の中に対して直接仕事を提供することになったことから、自分が今何のために働いているのかという迷いが消えた。これは自分が年をとったことによりブレづらくなったというのもあるのかもしれないけども。


■より「仕組み」について観察するようになった

 企業経営は常に世の中の定めたルールを渡り歩くことになる。日本問わずだけども、仕組みから外れたことをするとそれなりのペナリティを食らう。同時に、仕組みを知っていることで余計な出費諸々をしなくて済むこともある。

 経営すると会社員時代とは比べ物にならない仕組みの数々と対面する。


■世の中がかなり適当だ

 とはいえど、起業してとても勉強になってるのは、世の中しっかりしてる人や企業はもちろんたくさんあるが、意外と適当なところも多い。冷酷な人も多い。

 自分が適当なことをやろうと思っているとかの話ではなく、適当でも適当なりに回る世界があるのだというのが見えたのは、私の人生の生き辛さをとても緩和させてくれた。


■意外と生きていけてる

 会社人間だったから、会社ルートから外れたら死ぬと思ってた。しかし意外と生きていけてる。知らない人と話すのが死ぬほど嫌いだったが、やれば100点は当然無理にしてもわりとなんとかなる。どうにもならないところはどうにもならない。

 とはいえ社会に身を晒してみたら、自分が今とどまれるレベルの所としてなんとか稼働出来ている。あとは頑張って上に一歩づつ登っていくだけ。


■前職でお金をいただいてた技術は武器になる

 正直会社員として社内に篭っていると、たまに自分の技術が本当に世の中ベースで適応するのだろうかという不安が生まれる。いや確かに世の中の水準とする部分はクリアしているはずなのだけど、それでも何か漠然とした不安が押し寄せてくる。

 だけど結論としては、前職で金もらってた技術は絶対にすぐ使えるし、むしろガンガン使っていった方が良いしアピールした方が良い。むしろそれなしにどうやって事業を回すんだ、という考え方。

 たとえ違う業態に進むにしても、必ず軸足は元の業態に残しながら徐々に新しい業態へとシフトする。もともと居た場所で手にしたスキルや思考理論は軸足となって必ず自分の重心を支えてくれる。

 少なくともどこかに雇われてしっかり金が払われている中で培った能力は、必ず役に立つ。ただし同じ使い方で役に立つとは限らない。


■起業警告について思うこと

 起業についてやはり大きな失敗を語る人が多い。僕も別に誰かに起業を勧めるかといえばNOだ。会社員時代よりもずっと一日中仕事しているのに、それが給与として別に反映はされない。マゾのやるものだと思う。

 だけど、借金とかについては誇張されすぎだと思う。自分のやれる範囲と自分の生活水準を極力抑えて、なるべく借金をしないことをとにかく意識してスタートすれば、働いた分の利益が無いという気持ちの面での負債は抱えることはあるだろうけど、実際の借金としてはそこまで膨れ上がることは無いと思う。

 飲食や初めから何人も雇ってベンチャーというのを例にした失敗リスクが流布され、なんとなく起業に対する恐ろしさを増長させている風潮は良くないと思う。

 自分の食い扶持程度、自分のこれまで培ってきた技術でなんとかなる。ただ、それを持っていないとするなら、それはリスクある起業になる。食い扶持稼ぎの技術(例えば小売にしたってサラリマン時代から副業でノウハウ作ってたとか)が無いこと前提の起業なら、ヤバイと思う。

 僕はある意味会社員人生をスタートした瞬間から、自分が将来食いっぱぐれないために今いる会社を利用しようとしか考えてなかった。社員としては最低だと思うけど、会社が何か保証をしてくれるとアテにしてる方が僕はどうかしてると思ってる。だって会社はあくまで営利団体であり、家でも学校でもないのだ。

 そもそも負債をかかえてナンボという起業が当たり前なことが経済成長している時代の考え方であり、そもそも今は銀行だって財布の紐がめっちゃ硬い。大手企業に勤めてたり大手とのパイプがあるような、ようは銀行が確実に回収できる見込みがある人、あるいは業態にしか起業時の資金なんて貸さない。

 だけど企業は別に大きな借金をしなくたってはじめられる。登記上の資本金と行政書士手続き等諸々最低40万はあれば可能だ。個人事業主ならそもそも役所に行って終わりだ。

 起業のハードルは本当に下がっている。だからといって安易に勧めるものかといえばそうではない。とはいえ、ハードルを上げすぎてアレルギー反応を示すものでもないとは思う。社会に対して仕事をする上での選択肢一つとして当たり前に存在するものであるくらいなのが望ましいと思う。
VALUやってます
https://valu.is/majikuzu
色々理解してる最中。
まじめ系クズこと、まじクズが日々経営者として奮闘する記録をブログよりも濃厚に残すかもしれないし、私のブログ活動以外の側面をこちらは色々と出していこうかな…?
フォローだけでもいただければいずれ何かやるかも。