万人にオススメは出来ないけど、サイコパスの行動力とかある種の天才的な能力とか。その片鱗に少しでも触れてみたいと思うのなら、最高の映画と思います。

 久しぶりに映画をじっくり見る時間をとって、おすすめされた映画を見て個人的に大変良かったのでネタバレしない程度の感想などを。



■簡単なあらすじ

 目の前の事に真剣に取り組むこと、学習する能力、それだけは人一倍優れていると自負している主人公・ルイスは、人脈や学歴の無さ故に仕事にありつけずにいた。

 そんな彼はある日交通事故現場に出くわす。何でもない救命活動のいち場面だったが、ルイスはそこでカメラを手に事故現場に真っ先に乗り込むクルーと出会う。刺激的な事故現場の撮影、テレビ局との金額交渉。映像は凄惨なほど売れる…?

 すぐさまカメラを手に、ルイスの事故現場を巡る日々がはじまる。どうやったらもっと刺激的な画が手に入るのか。どうやったらライバルよりも早く現場に到着できるのか。どうやってテレビ局との値段交渉を、どうやって自分の仕事を世に知らしめるのか。

 ルイスの常軌を逸した狂気のようなサクセスストーリーを追体験してゆく。


■人間が分かってない

 ルイスもそうなのだけど、そのルイスに深く関わる周囲の人間もなかなかにおかしい人間がちらほらと。ようは皆ちょっとイカれたサイコパスなのである。そんな中で唯一?普遍的人間の感性を重要なシーンで訴える人間が居る。

 「お前は人間のことが分かっていない」と。

 正直見てる側からしても、お前が言ったところでなぁ…という人物がルイスに説教垂れるのだ。しかし、これまでの映画のテンションで見てるこちらもあくまで「ルイスのサクセス」に焦点をあてており、その人物が諭す言葉が滑稽に思えてしまうあたり、既に見ているこちらもルイスの感性に引っ張られている、と感じられて演出として上手いなぁ、と思うなど。

 学歴もコネも無いルイスがなりふり構わずに狂気とは言えど凄まじい努力をしてきて、たしかに成功を手にしている。対して、たいした努力もしていないその人物が「人間はこうだ」と訴えることは「成功」の観点からすると馬鹿馬鹿しい。

 でもそこでふと視聴側は冷水を浴びせられる。人間性と成功の矛盾に。ルイスの成功は常識的で誠実な振る舞いだったら手に出来たものだったのか?その文句垂れてる人間だって結局はルイスのおかげで生活が成り立っている。

 でもその人間が説く「人間性」については普遍的感性である。ルイスは間違っていたのか? というかそもそもルイスほどに狂わなければ成功は得られないのか?

 などなど思考が何度も何度も巡る。実に印象深いシーン。


■サイコパスの交渉術

 ルイスがある人物と交渉の場に立つ。圧倒的有利な立場にあるはずの相手を、ルイス数少ない自分の武器を巧みに利用しながら、理論と感情で徐々に追い詰めていく。詐欺なんて生ぬるいものではなく、洗脳である。

 実に鬼気迫るシーンであり、もし自分がこうした相手と対峙した時にどうしたらいいかと喉元にナイフを押し当てられるような気分で見た。こういう交渉の場は社会人なら誰にも訪れるものだと思うので勉強になるのでは(え?


■地の底から何かを手にするには…

 ルイスは学歴もコネもないが人一倍努力することだけは他人より秀でていると自負している。

 本作はアメリカの映画であるからアメリカの社会構造や倫理観に則った物語でもあるが、日本の社会を考えても、学歴もコネも無い人間はもう這い上がることは不可能な構図になっているし、それらを手に出来なかった人間が単に「努力不足」なんて言葉では片付けられない社会の歪な構造が生まれているのも既に多数の人間が指摘している。

 そうした混沌とした世の中においてルイスのような人間は常識人にとってはサイコパス野郎なのだが、どうにも一定の視点から考えるとある意味ダークナイト的なのではないかと思われる。

 日本にも頭おかしい経営者がたまに報道されたりするけども、もしかしたら常識人で居たら彼らは何も手にすることが出来ず飢えて死んでいたのかもしれない。

 とまぁこんな感じで見た側の倫理観や常識感などがグラグラと揺さぶられ、改めて自分の足元を見つめなおす機会を与えてくれる映画だったり。わたし的には、ですけど。

 そんなわけでとってもオススメ映画です。
VALUやってます
https://valu.is/majikuzu
色々理解してる最中。何かやるかも。
まじめ系クズこと、まじクズが日々経営者として奮闘する記録をブログよりも濃厚に残すかもしれないし、私のブログ活動以外の側面をこちらは色々と出していこうかな…?
フォローだけでもいただければ~
ナイトクローラー(字幕版)
ジェイク・ギレンホール
2016-02-19