奥さんと最近出た話題。「文章の書き方」って自分らの世代は学校で習わなかったね、という話をしていました。

 私もなが~くブログを書き続けていく中で、なんとなく、読みやすい文章とは何かというのを自発的に調べるようになりました。が、たしかに学校で習った記憶は無い。読書感想文書いたくらいか。別にそれも指導が入るような教えられ方はしなかった。

 はて、もしかして「文章を書く技術」というのは意外に普通の技術ではないのだろうか? と思い、自分なりに、「読んでもらえる文章」についてまとめてみようと思いました。



■伝えたい相手を明確にする

 製品の企画書と同じですね。ターゲットユーザーをまずどこに置くのか。これが伝える文章の第一歩です。自分だけが分かる文章では誰も読んでくれないし、単に先端技術の情報を書いたとしてもそれが開発者に対してなのか、消費者に大してなのか、でも大きく異なってきます。

 考えてみれば当たり前のことなのに、それが抜けてしまっている人、というのは少なくありません。小学生が読むなら、中学・高校程度の漢字はあまり入れない方が良いですし、前提知識も違いますから、選ぶ「例え話」なども変わってきますよね。

 今回私と同じ30代でゲーム好きだった人に向けて、順を追って書いてみようと思います。


■主題(テーマ)を決める

 ターゲットを決めたら、次に主題です。先に主題を決めて、そこからターゲットを決める、というやりかたもあるので、この辺りは個人個人で変わるかもしれません。私のブログの場合は既に「真面目系クズ」と呼ばれる人たちに、何か少しでも役に立つ知見や身の上話でも持ち帰ってもらえればな、と思って、そこから主題がいつも決まります。

 ともあれ主題。今回、何について書くのか。

 とある「本」について書くとします。同じ「本」についても主題は色々と分かれます。

 本について。私が思った、同世代へ向けた、同職業へ向けた参考としての感想が主題なのか。その面白い本を、世の中の人の人もっと手にとって欲しい、手にとるべきと思ってもらうという主題なのか。その本を通して、笑いをとるのが主題なのか。

 たった一冊の「本」を語るだけでも、主題として様々なアプローチがあります。

 私が今回扱う本は、大好きな「ダンジョン飯」について。

 【ゲーマーの心をくすぐる、本格冒険&グルメ漫画、ダンジョン飯の魅力】
 【ダンジョン飯の魅力から学ぶ、物語設定の知見】

 というタイトルにするとします。


■各項目を決める

 ここからはお絵かきにおける「ラフ作成」に入ります。ラフ制作、すなわち「あたり」をとる作業です。ダンジョン飯を例にしますと。

【ゲーマーの心をくすぐる、本格冒険&グルメ漫画、ダンジョン飯の魅力】
○どう知ったか
○見どころはどこか
○特にどんな人におすすめか
○掲載雑誌とか、何巻まで出てるかなど

【ダンジョン飯の魅力から学ぶ、物語設定の知見】
○題材の決め方
○目的地の設定
○「お約束」の設定を掘り下げる
○みんなが「あるある」と思えるネタを選ぶ

例えばこんな構成。


■読みやすい段落分けを意識する

 文章を書き始めると、どこで改行したらいいかとか、そもそも改行せずにウワーっと書き進める人がおります。しかし、「読んでもらいたい文章」にするのであれば、人間が気持ち良い段落分けを意識しなければなりません。

 例えば私は、極力今のスマホの小さい画面でも、少しでも読みやすいようになればと思い、極力目が滑らないように140文字程度まで文章が進んだら、そこで段落を一つ分けるようにしています。

 この構成にすることにより、1段落の中で起承転結が意識され、其の段落ごと読んでもらいたい主題が決まり、言葉の終わりまでを意識しながら文章をかけるようになりました。

 また、この段落分けを意識するようになったのは、「火花」でおなじみにの又吉直樹さんの文章を読み、その文章力に感嘆したからです。あまり本を読まない私にとって、氏の書いた文章のあまりの読みやすさに感動を覚えるとともに、模倣したい、と思いました。

 その最たる例が、読んでて疲れない程度の段落分け。もちろん言葉遣い、漢字選び、表現を省略する技術力、語彙力など書き続けてきた人間でなければ生み出せない文章で、見よう見まねではとても太刀打ちできるものではありません。

 ですが私は、又吉さんの文章を読み、参考にしようとした頃から、少し文体が落ち着くようになりました。


■主語を明確にする

 話は文章を書くことに戻りまして。読みにくい文章というのは、主語の抜けというのが多いように感じます。「何かをする」という言葉には必ず「私が」とか「犬が」とか「プログラミング言語は」とか、主語になるものが存在します。

 読みづらい文章というのは、これら要素がスポっと抜けてしまっていたりします。前の段落で書いてたじゃん、と、しっかりと前後のつながりを読まなかった人の読解力を否定する声ももちろんあります。

 が、今回の主題である「読んでもらえる文章」を考えると、前後のつながりがわからなくても主語が何か分かるように気を遣うのもまた、読みやすい文章だと思います。


■時系列を明確にする

 読みにくい文章は、時系列が不明です。不親切。急に過去に戻るにしても、「これは過去の話です」と前置きがあります。でも基本的に文章は上から下へ、右から左へ、と時系列に沿って読んでいくものですから、その流れの中で朝10時の話を語っていたのに、次の段落で急に一昨日の夜8時の話をされても、書いてる本人は分かるでしょうけど周りは分からないわけです。


■自分の感想ではなく、聞いた人が分かる表現で伝える

 「すごく面白い映画」「めちゃくちゃデカい土地」

 話し言葉では、よく使われる言葉だと思いますが、文章ではまるでわかりません。

「すごく面白い映画」は、自分が主観で思ってるだけで、読者が面白いと思う感性は別です。北野武の映画が合う人なら、この漫画は絶対面白いと思います、だと、ちょっとわかりやくなりますよね。

「めちゃくちゃデカイ土地」だと、東京ドーム1個分など。

 かつて某企業の車庫を紹介するCMでは「やっぱり○○は100人乗っても大丈夫」という非常にわかりやすいキーワードでお客さんに強く印象づけました。100人乗っても壊れない車庫。わかりやすいですね。

 人に読んでもらう文章というのは、そのモノを知らない人でも分かる判断材料などがしっかり提示されてあるから、理解されやすいし、伝わりやすくなります。

 ボキャブラリーが備わっていると、文章はどんどんおもしろおかしく装飾していけます。


■横道:多少文法が乱れていても、伝えたい内容が定まっていれば大丈夫

『シン・ゴジラ』あたまのわるい感想

まずいきなりトンネルの天井からヘドロみたいなのがビチャビチャビチャビチャーーーーー!!つって降ってきた時に「ひえええええええええ」ってなった!!!そのあと一瞬だけ前田敦子が映って「アッ!!前田敦子!Q10!!!かわええ!あっちゃあぁぁぁぁぁん!」って思った瞬間もう出てきやしねぇの!たぶん「わたしのことはきらいになってもぉぉおお!!!」とか言ってた気がする!そっから「なっ!!!主人公、長谷川さんかよ!チャオ!!」「おおお!高良健吾くん!高良くん!ソラニン!ソラニン!」「竹野内豊ぁ!豊ぁ!義家先生ぇ!!」 「渡辺哲さん!」「手塚とおる!」「柄本のオヤジ!」「野間口さん!」ロクな役回ってこない役者シリーズ!!!「おおおおお!?総理は大杉漣さん!!!」って秒刻みで次々と名だたる名優たちが出てきて興奮と恐怖が冷めやらねえ!!!!

海ごぽごぽごぽ。

 私はこの文章がここ数年の中でも特に大好きです。

 この文章は昨年大ヒットした『シン・ゴジラ』の感想ブログなのですが、正直文法もへったくれもありません。ただ、筆者が目にした体験と思った感想が、擬音や俳優の名や情景だけを連ねて見事に笑いと共感を生むようになっていて、私は現代日本語的にとても素敵な文章だなと思ってます。(シン・ゴジラを見てない人にはなんのこっちゃな内容とは思いますが)


■伝えたいと思う言葉が、伝わらないというのは、ある種の不幸だと私は思ってます

 誠意のある言葉、ワクワクする体験、辛い助けを求める言葉。文章を書く技術、伝える技術がないばかりに、本当はとても大切な内容が、声が、届くべきところに届かないというのは、とても不幸な事だと思います。

 「伝える文章を書くのが得意な人」の言葉だけが届くというのは、世の中のバランスとしてちょっと違うんじゃないかな、と。「伝える言葉を書く」というのは、コミュニケーションの一環ですから、もっと普通に学ぶ機会があってもいいんじゃないかな、と思うのでありました。
VALUはじめました
https://valu.is/majikuzu
色々理解してる最中。何かやるかも。
まじめ系クズこと、まじクズが日々経営者として奮闘する記録をブログよりも濃厚に残すかもしれないし、私のブログ活動以外の側面をこちらは色々と出していこうかな…?
フォローだけでもいただければ~