下手なプレビュー。試作品。ラフデザイン。工数見積。等々。下手なプレビューは容易にプロジェクトを炎上させ、製品の質も落としていく。というような小話。


■試作品、プレビュー版はウケやすい

 製品の試作版というのは、提供側が様々な穴を「意図してor意図せず」用意している。だからプレビュー版を受け取った側はその「穴」に対して想像の余地を広げる。

 絵でもよくある話なのだけど、ラフ段階では人は足りない情報に対して自分なりの線や色、なんなら展示方法やらまで考えてしまう。

 だから、適度に出来が良いプレビュー品というのは、顧客が理想図を描きやすい。故に、顧客はそのプロダクトに対して自分の理想像を持ち帰る。だからウケる。


■完成に近づくほど、人は「思ってたんと違う」状態に入る

 つまり、顧客はそれぞれ自分たちの理想像を持ち帰る。しかしその理想像は、大抵の場合上手にヒアリングしないと、制作サイドには伝わらない。

 そしてある日、完成像が見えた段階でプレビューを迎える。お互いの完成図のズレから、案件の炎上が始まる。「前々から実はこう思っていた」「もっとあれこれしてほしい」今まで全部確認とってきていたのにも関わらず。

 …まぁこれが普通。よくある話。だけどよくある話にしていると、常に炎上となる。死ぬ。


■プレビューしたらなるべく早く完成形に近い状態のものでディスカッション

 プレビューが避けられないのであれば、完成形に近い状態のものをとにかく早く提出する。齟齬は絶対起こるし、確認いくらとったってちゃぶ台返しは起こるものだと見越して、とにかく早く早くやる。考え込んで完璧を目指してやっていくと、対応がきかなくなり悲惨なことになる。早さis正義。


■極論を言えば、完成品を手にとり体験しない限り、人は目の前の物の価値判断など出来ない

 企画倒れっていうのは結構見てきてるのだけど、多いのが企画段階での風呂敷を「広げやすいようにしてしまった」ことで、収集がつかなくなってしまった。最初から、工期や予算は当たり前として、使う人材に機材にと絞り込む。制約ありき。当たり前の話ですね。

 でもその当たり前を怠る現場って結構あったりするのです。おっそろしー。


■逆に言えば下手なプレビューは自分の首を締めることにもなる(見せないほうがマシ)

 つまりは、安直に企画なりプロダクトなり、出来かけのものとかを見せても誰も幸せにならないよーということ。見せないほうがマシなものが世の中にはたくさんある、という事実。


■多くの人は、完成品を手にするまで、自分が欲しいものが何なのか分からない

 もうこれは商品の世界では鉄則として言われることだし、なんなら「ラフイメージ」「完成品」という概念がある全ての世界で言える事。

 そう、顧客は、相手は、自分が欲しいものが何なのかを知らない。周りの声を聞いたり、実際に手にとってみたりすることで「これは自分がほしいものなんだ!」と初めて自覚する。それくらいに、顧客は自分自身がほしいものが何なのかなんて分かってない。

 ここ数年で最も象徴的なプロダクトといえばやはりスマホだろう。誰もタブレット付き電話なんて魅力的だとおもってなかった。でもジョブズがなんかすげー言って、そういうのが好きなアーリーアダプタが「スマホはいいぞ」って言ってる間に波及した。

 VRも体験するまで皆懐疑的。「VRを体験した自分」なんて想像すらできないから。いや、なんとなく想像出来る。きっとこうだろうああだろう。でも、やらない。周りの声が大きくなるまで、自分が体験するまで、顧客は自分がソレを欲している自分に気づかない。


■下手なプレビューはやめよう

 話は戻り、顧客は体験するまで出来上がるもの、自分が体験するであろうことの想像は出来ない。出来ないから、下手なプレビューは、顧客の想像力を掻き立てるわりに双方の意識と乖離した合意がとれてしまったりする。その合意は後々の炎上を生む。

 その他にも、今回は触れなかった内容として、下手なプレビューで期待値を下げるという危険性もある。プレビューのせいで必要以上に低クオリティに見えてしまい、話がご破算になったり不安を煽ってしまったりする。

 何はともあれ、下手なプレビューは避けるべきである、と最近よく思うように。プレビュー自体の出来不出来の話ではなく。その後に発生する問題の量を考えると、プレビューとは気軽にはやらないほうが良いことが往々にしてあるな、と。


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色々理解してる最中。何かやるかも。
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