そんじょそこらの超ハイセンスなプロダクトを引っさげて起業したわけではない私をスタートアップと呼ぶはふさわしいのかどうかは分からないけど、一応のスタートアップとして感じることが、このコミュニケーションコストと呼ばれるやつ。



■他人と合わせる気の無いコミュニケーションコストの話


参考としてはこれ。コミュニケーションコストという言葉の発祥もこの記事からなんじゃないかなとは思ってます。

 この記事で語られているのは要するに、仕事出来る人はコミュニケーションコストが低いということ。例えば特定機器やアプリの扱いについて、入門者と上級者の間では大きな溝がいくつも存在する。

 入門者は何が問題で何が正しいのか、という上級者にとって当たり前のことがわからなかったりする。だから上級者側が入門者側にわかりやすい翻訳をかけたり、入門者側も何がわからないかについて整理し、アプローチをかける。これはつまりコミュニケーションコストが少ない状態になる。

 お互いが極力コミュニケーションにかけるコストを下げようとしている。

 ところが片方、あるいは両方がこのコミュニケーションを避けることにより、このやりとりに対するコストが激増する。

 よくある話なのだけど、入門者側の設問に対して上級者側が上級者側でしか分からないショートカットな内容を説明する。すると入門者は、設問に対して更にそのショートカットに対する設問が生まれる。すると上級者は更にショートカットな返答をし、いよいよもって入門者は何を聞いたら良いのかわからなくなり、話せば話すだけ会話が泥沼化していく。

 上級者側がコミュニケーションのコストを無意識に破棄したためにこのような状態が怒る。なんでこんなことも知らないんだ、とか、入門者がどういう気持であるかという部分に寄り添わない事で問題は発生する。

 コミュニケーションコストは精神的な不快感などの話ではなく、現実的に認識の齟齬から双方の時間を無駄に食ったりスケジュールの遅延や問題確認の行き違いなど現実的な問題を発生させる。

 なので社内に居ようが社外に居ようが、コミュニケーションコストが低い人は、デキる人になる。私はデキない。ふぅ…。頑張る。

 何よりスタートアップでこのコストが高いと、意図せぬ問題にばかり直面してしまう。忙しさでちょっとした説明を省いていった結果、倍の時間をかけざるを得ないような状況に。


■要点しか語らない

 このコミュニケーションコストも困りもの。優れた情報伝達が出来る人は、少ない要点で的確な情報を伝える。しかしコミュニケーションコストがかかる人は、自分が伝えたい要件だけを伝えて、相手が欲しがっている情報をまるで提示しなかったりする。

 理由は多々ある。面倒くさがりだったり、察してちゃん構ってちゃんだったり、自分の言葉を整理して伝えるのが苦手だったり、人に伝えるのをはなから諦めてる人だったり。

 各々の事情は自信にとっては大変に重要な役割を持つが、他人にとってはすこぶるどうでも良い。今回はコミュニケーションコストの話。

 やはりスタートアップでこのコミュニケーションコストが大きいと、非常に全体の進行が悪くなっていく。


■まぁ全部自分のことなんですけど

 コミュニケーションに対して手を抜くと必ずしわ寄せは自分にやってくる。単にあそこのお店が美味しかった、今日見たニュースがどうだった、とかそういう雑談の話ではなく。

 相手が必要に思っていること、不足に感じていることの補填、伝えなきゃいけないこと、困っていることの解決に、コミュニケーションは不可欠。見て見ぬふりもできるし、誰かが代わりにやってくれることもある。

 でもしわ寄せはいずれ自分にやってくる。なので、コミュニケーションコストというのは常日頃意識しておくと良いように思います。起業活動をしたいのにここに手を抜くことでやりたいこと何も出来ない、なんてことは結構ある…。ゲフゥ。