今年、長年勤めた会社が潰れました。厳密にはちょっと違う表現になるけど紛らわしいので潰れました、ということにします。

 結構会社の文句をボロクソに言って去っていった人などもいたらしいものの、私は元いた会社のことはトータルで考えて結構良かったなぁと思ってるので、その観点から会社が潰れる前兆について悪意はなく、ただ本などを読んでみて共通点などと照らし合わせ、なるほどなるほどと思いながら観察してきました。

 順序は前後してるし内容もボカしてますが、本などでは当たり前に書かれていることばかりです。結局のところ本などに書いてある先人の知見というのはなかなかアテになるんだなということが確認できた、そんな内容の話です。


■観葉植物が枯れる 捨てられる

 会社に置いてある観葉植物が枯れるというのは割と馬鹿にならず。私なりの見解では、会社の観葉植物が元気なのって、植物に水をやる時間、気にかける社員がいるくらいの余裕が会社にあるということだなと思います。

 最初、本などでオフィスの植物に関する記載を見た時は、何を馬鹿なことをと思っていましたが、植物と会社の健康状態というのは実に密接な関係にあるんだなぁと感心したものです。


■役員など会社の重要ポジションが専用の部屋でこもり切る

 会社が破滅に向かう最も象徴的な内容としては、社長はじめとした重要ポストの面々が、重役室みたいなのを作ってそこにこもり切ること。植物に続き、この時点で既にカウントダウン開始なのだなと思います。


■上が新しい事に対する挑戦をしなくなる 難色を示す

 景気が良いと、次の一手を探すために会社がこれまでの事業の延長、あるいは別の事業に手をだすというのは実に多くあります。今の業界がピークに達したあとの新しい収益源を探す。

 ところがこの挑戦がピタリと止む時期が訪れます。これも既に前兆です。


■売上論と精神論が飛び交う一報、プロダクトの出来に対する意見が無くなる

 プロダクトの中身についてではなく、売上と精神論が主軸になっていきます。お客さんのためのプロダクト作りではなく、会社の売上のためのプロダクトが中心となるし、それを指示する社員が評価されるようになります。

 なんとなくこれも終わりの始まりだと思います。企業がお客の顔を見なくなり、現場ではないところで会議が進行する。


■エースが辞める

 そこそこの規模の会社には大抵何人かのエースが存在します。エースと会社のテンションには密接な関係にあり、エースが何らかの理由により去ることは危機からもう逃れられないということです。

 エースは景気の動向がどうであれど結果を残し続けます。会社にとってのエースは商売としての勘所をブレず抑え続けてる人間ということです、いわば会社にとって屋台骨であり、その屋台骨を失うというのは会社の死の前兆であると思います、


■経理が辞める

 次に辞める人間はご多分に漏れず、経理です。会社の数字をすべて見ている人間は、既に未来がないことが見えた段階で転職を開始します。経理が転職を終える頃にはもうチェックメイト間近でしょう。


■会社に今まで見ない来客が訪れる

 どんな人が来るのかは伏せますが、来客が増えます。おそらくあまり見かけない来客が増えます。いよいよ周囲がザワつきはじめます。


■上が不在になることが増える

 普段からあちこち飛び回っている経営層ならわからないとは思いますが、会社に普段は居たはずの上の面々がよく不在になる事が多いというのも大きな特徴と思います。


■社員のモラルが低下する

 前項に連動しますが、社員のモラルが低下します。上が既に現場を重要視しなくなるため、というのもありますが、そもそも察しのいい人達は既にこの状況がどういう意味を表すのかという事にとっくに気づき、準備を始めます。

 それら諸々踏まえ、社員のモラルが大きく低下する時期がやってきます。私の体感としてはこれが最後通告みたいなもの。


■正常性バイアスを振り切ろう。貴方の会社は多分潰れる。

 私はずーっと以前のある時期を堺から、会社がいつどうなっても、自分ひとりで起業するなりなんなりする準備はしておこうと思っていたので、これらの流れについては「本当に本などで言われていることは当たるのだろうか」という興味本位の元で、動向を見ていました。

 究極、会社は社長の意思そのものであり、こういった細々とした予兆についてはもっと根本には社長の精神状態や体調など様々な要素があると思いますが、正直社長の事情を把握万人が把握することは無理です。

 なのでせめてこの「予兆」が分かれば何か対処のしようもあるかなと思います。

 で、なんとなく周囲をみていて思ったのは、自分含めて正常性バイアスが働いているな、と。状況があまりに揃いすぎてチェックメイトが目に見えているのにどこかで「それでもウチは大丈夫だろう」という考えが働いてしまうようでした。

 今回書いてある内容は本当に重要牌ばかりなので、この辺揃ってるなら例外なく会社が潰れるもんだと思って、色々と準備しておくのが良いと思います。というか会社なんてそんなもんだと思って、常日頃から準備をし続けるで良いとは思うのですけど。

あの会社はこうして潰れた (日経プレミアシリーズ)
帝国データバンク情報部藤森徹
日本経済新聞出版社
2017-04-11