新社会人の皆様、お疲れ様です。これから公私共により良い社会人生活を送るためにも、特にインターネットの活用については十分に気をつけてまいりましょう。今日は20年近くインターネットおじさんをやってきた身としての処世術を書いていければと思います。


■個人情報は特に気をつけよう

 自分の顔、Twitterに載せてませんか。それ、全国規模で広まりますけど、大丈夫ですか。自分の写真だけじゃなく、他人の写真、アップしてませんか。プライバシーの侵害していませんか。

 酷いのだと、免許証を更新したついでにTwitterにアップしちゃうなんてこともあるそうな。思いっきり個人情報広まってます。皆様は既に会社員の顔も持ち、単なる個人ではなくなります(学生時代から既に○○大学という肩書などは持っていましたが)

 自分が単なる個人ではなくなる、という意識を持って個人情報を大切に扱いましょう。


■住所が特定される情報は極力発信しないよう

 個人情報にひも付きますが。ネットに情報をアップする時、場所が特定されるような発信にも注意しましょう。写真をアップしたり発言するにしても少し時間をズラして発言するなど。貴方個人を追跡される危険性はネットに残してはいけません。

 貴方が別に後ろめたい事をしていようがいまいが、それはどうでも良いのです。今はなんてことないように思える事柄が、貴方の思わぬ情報に結びついてしまったりするのです。ネットに「貴方」をなんでもかんでも存在させる事はデメリットが大きいのです。


■学生の延長アカウントの利用は計画的に 複アカ、プライベートアカを

 社会人になったからといって発信内容をこれから控えようという考えはあると思いますが、上司や周囲はだいたい学生時代の情報を辿ります。実際そんな気持ち悪いやつ居ないと思うかもしれませんが、それくらいが普通なのだと思うのが良いのです。

 なので社会人になってからの発信は学生時代とは切り分けて使ってしまった方が何かと身のためです。複アカ管理か、クローズドなコミュニティを持つのが大事です。


■Facebook等での発信は当り障りのないことを書こう 趣味の話でも書こう

 とはいえ何も発信しないというわけにはいかないと思います。今やネットに人格を持つのもクラスタによってはひとつのステータスです。ネットに情報出さないで何やってる人なのかさっぱり分からない、なんて人はそれはそれで損。

 なので発信には当たり障りのない内容をこころがけましょう。ご飯がおいしい。景色が綺麗。犬猫が可愛い。趣味の釣りが楽しい。などなど。


■会社の愚痴は書かないようにしよう

 会社の愚痴は、辞める覚悟や、その先に何をしようと考えているか、全部計画したうえで書きましょう。逆にその計算が立っていないのなら個人が特定されるようなアカウントで会社の愚痴悪口発信はリスクが大きすぎて、意味がありません。

 最近は増田と呼ばれるAnonymousDiaryというサービスがありますので、どうしてもどうしても我慢ならない愚痴は個人が特定されない範囲で匿名で書くのが吉です。

 貴方が自分の会社を持って人を雇う立場になるところまで想像すればすぐ分かると思いますが、普段から会社の愚痴を世界中に発信している人間なんて雇いたいと思いますか。個人が特定されるような情報を出しながら、会社の愚痴を書く人は自ら信用を捨てにいっているものです。

 かといって愚痴を言うなというわけではなく。ネットに発信するなら、SNSがここまで浸透しきった現状では、慎重にやりましょう、という話でした。


■以上のことから、インターネットの人柄や発言はあまり鵜呑みにしないようにしよう

 こういう事は大なり小なり皆意識していますから、ネットの人柄なんて何もアテになりません。少し悪い噂が立ったり、逆に良い印象を持ったとしてもあまり鵜呑みにしないことです。上手にネットを使う人ほど、自分の本質は上手く隠すものだ、と思います。

そもそもそれは普通の人間関係でだってそうですよね。


■本題:ちなみにこれ読んでる上司側の世代が注意なのです

 ぶっちゃけこれくらいのリテラシーは今の新社会人は持っていて当たり前です。むしろ社会人になってから、ネットに触れたような世代こそ注意が必要なのです。当たり前のように子供の写真を晒し、当たり前のようにGPS情報をTwitterに流したり、家を買っただなんだの、特定情報を晒しまくっている世代の皆様。

 新社会人は情報たどる能力はおそらく貴方様方の世代よりも遥かに優れております。情報発信はくれぐれも油断なされませぬよう。

 ともあれ、今一度、貴方の発信は既に個人の責任を越えて、所属組織のものにもなっていきます。貴方がどんなに「個人」のつもりでも。面倒ですね。しかし逃れられない事実。ですから、発信は慎重に。ネットの利用は慎重に。

グサリとくる一言をはね返す心の護身術 (SB文庫)
バルバラ・ベルクハン
SBクリエイティブ
2013-12-14