出展:いらすとや
意識的であれ、無意識的であれ、人は結構容易く他人に暗示をかけています。とくに洗脳と違ってマインドコントロールはなかなか目に見えない、一見すると分かりにくいものだと思います。なので「あれ、何かここのところの自分変だな…」と思ったら少し周囲の状況など振り返ってみましょう。
■洗脳とマインドコントロールとの違い
洗脳は広義には、薬物や直接的な暴力行為、精神的な暴力などによる拷問によって相手を支配する行為であるとされます。これらは被害者が強制されている状態であることが前提。 DVやいじめはこっちに近いと思います。
一方でマインドコントロールは、自己暗示を与え物事の考え方や指針を加害者側の変えさせるもので、被害者は強制されていない状態です。「私は別に自分の意思で行動してるんだ」なんて人がそうです。
いじめは見た目にも明らかな状態ですから、自分の落ち込みや苦しさの原因がいじめに起因していることが分かります。ところがマインドコントロールは、主因が自分であると自分自身が強く思い込むから、自分では判断し辛いのですね。最近ですと女優の清水文化さんも自伝で、所属事務所での日々をそのように語ってます。
そこで、マインドコントロールはどのような環境下で行われているのかについてまとめました。
■まず、逃げられない環境を用意すること
出社方式のほとんどん会社や学校はそうですね。別に逃げられますけど、逃げにくい。仕事に響くから。内申書に響くから。真面目で責任感のある人ほど自分で逃げられない場所を作ります。
また、物理的に隔離する方法もあります。合宿とかわかりやすいですよね。
家もある意味逃げられない環境だと思います。専業になった人とかは、稼ぎ口が無いから自分で逃げられない状況を作ってしまったりもする。
色々ありますが、まずこの自分が逃げられない状況になっていないかのチェック。
■自己否定を繰り返させる
マインドコントロールで最も効果的とされるのが、この自己否定、自己批判をすること。「君は周りに比べてどうしてそんなに駄目なのか」とか「あなたの性格がまず問題なんだよ」とか、あらゆる方向から否定的な言葉を与えられる。
そのうえで、自分がいかに駄目なのかを反省するように促します。直接的な反省の言葉でもいいし、レポートとして自分がいかに駄目な人間かをまとめさせるとか。
こうして自尊心を突き崩していきます。
■情報を遮断する
情報遮断はマインドコントロールには欠かせません。人は常に人や本などあらゆる情報から客観的な情報を学習し、状況を判断しています。これを遮断されることで、判断材料が自分と目の前の人間・状況しか無くなってきます。客観的な情報を獲得出来なくなるわけです。
これにより正しい状況判断ができなくなります。普段から勉強しておくのは、こうした悪意から自分を守るためにも大事なのかもしれませんね。
■基本厳しく、突然優しくなる
さてマインドコントロール時は常に相手の精神に圧迫をかける必要があります。理由もなくピリピリとした空気を出したり、いきなり火がついたようにキレるなど。ただこれだけではマインドコントロールはできません。
ここに適度な飴を提供するわけです。突然の優しさを提供する。これが恐怖を利用した相手への揺さぶりになります。おっかない人たちがよくやる方法です。特にこうした「おっかない人が不意に見せる優しさ」に惹かれる人は注意です。
■眠らせない
眠りは人間にとって思考力を養うために非常に重要な役割りを持っています。例えば寝るギリギリまでメッセージやりとりを意図的に続けるとか、完全なブラック企業であれば寝てたら到底間に合わないようなノルマを与えたりなどですね。
これでノルマを達成して褒められた日にゃ正常な判断能力を失っているから、余計に嬉しくなっちゃうわけです。あとは寝ることに対する罪悪感を与えたりとかですね。「あの人は寝る間も削って頑張ってるのに、貴方ときたら…」みたいな。
■ダブルバインドを与え続ける
およそ達成不可能な条件を与え続けること。例えば「昼寝はしっかりとって脳を回転させろ」と言いながら「皆が寝てないのに君なんで寝てんだよ」とか。「昼飯食ってる余裕あるのかお前」と言いながら会議でお腹が鳴ったら「飯くらい自己判断で済ませておけ」とか。
会社じゃなくても家だろうがなんだろうがたくさんあると思います、こういうことは。狙いは思考停止させることです。達成感を与えず無力感を募らせるわけですね。
■この環境がいかに恵まれているかなど、得を訴える
「お前なんてどの会社言ったって駄目だよ。ウチだからなんとかなってるんだよ」とか「こういう苦労は若いうちにしとくもんなんだよ」とか、得をチラつかせる。「貴方はこの環境辛いとか嫌だと思ってるけど、これってすごくありがたいことなんだよ」と。
■あとは刷り込むだけ
そんな感じで自分の行動に一切の自信を失って加害者のに言うことが一方的に正しいと感じるようになってきたら、あとは加害者側の意見を刷り込むだけです。考え方の方向性ごと調整できちゃいます。
■自分に自信の無い人間はかかりやすい
このマインドコントロール、特に真面目系クズが注意した方が良いとタイトルに書いたのは、真面目系クズは自分に自信が無い人が多いからです。
比較的最初の関門である「自己否定することで自尊心を奪う」というの、自分に自信のある人に対して効果をもたせるのは難しいんですよ。ところが真面目系クズに該当する人たちは、自分にイマイチ自信を持てないで居る人が多いので、この関門が突破されやすい。
■「自分だけは大丈夫」 本当に?
特に「自分だけは絶対に大丈夫」と過信している人も注意が必要です。マインドコントロールは知らぬ間に外堀が埋められているのです。自分ひとりの意思が強固だからなんとかなる、じゃなくてその頑固な意思ごと利用される場合も往々にしてあるのです。
だから、過信しないこと。時々でいいから自分の環境を振り返ってみること。これが、マインドコントロールに弄ばれないための自衛手段であると思います。
コメント
コメント一覧 (4)
行く先も似たり寄ったりなのかなと思うと躊躇いますね。次に進むこと。
逃げるも立派な戦術ですから、負い目を感じず割り切って道を切り替えたのだと思えるくらいになるといいですよね。
些細なことよりも、結局前に進むのが大事だったりするのですよね。