20170201_1


世の中には懇切丁寧に自分の怒りを全て書き溜めた上で、相手に自分の感情を全てぶつけることで自分の気持ちを晴らそうとする人が居ます。あまつさえそれをよしとする人達もおります。

しかし怒りによる人間関係に利点は正直なところありません。

だからといってこの怒りをどうしたら。怒った側が泣き寝入りなのかよぉ! というのでもないわけでございます。



■書け、吐け

怒りを内側に溜め込み続けるというのは、自分の攻撃性がどうにか暴発しないよう押さえ込むことになります。この感情の抑圧は精神にも身体にも害をおよぼす。怒りを抑圧することは様々な疾患を生む。ストレスが原因とされる病状を調べればいくらでも出て来るはずで。

だから、まず怒りというのは溜め込んではいけず、必ず吐き出さないといけない。そのために書くでもいいし、言葉にして吐き出すというのでもいい。

ただしそれは決して怒りの対象に見せてはいけないわけです。


■衝動的に書いたものなんか絶対相手に見せるな

十中八九それは自分の事しか考えていない手紙やメールや言葉になっているはず。「相手のことを真剣に考えて」なんて言葉はいくらでも脳裏に浮かんでいるかもしれないが、それでも絶対そのまま吐いたらダメ。

一晩寝て読み返したら、きっと自分がとんでもない返信をしようとしていたことに気づくはず。怒りを軸に相手に投げつけようとしている言葉なんてどれだけ気を使って考えようとも相手には読み取られる。

だから、書いて。そして、それは送らない。削除する。捨てる。相手に直接言葉で伝えない。

そしてまた改めて考える。考えてもいいし、そもそも返信した気になって終えてしまうしまうというのでも良い。


■リアクションが遅くても良い

怒りとは感情の高ぶりでもある。

ヒートアップした会議などで結論を急ぐあまりに、その会議で良い発言ができなかった人を排除してしまったりなんてこともある。だけど会議なんて踊るもので、感情でみるみるヒートアップしてしまう。

勿論人間は最後には知性よりも感情が勝る生き物だから、その会議のテンションのまま決議を急ぎたくなるのは分かる。その場のスピード感を大事に出来ない人間を排除したくなるのも分かる。

しかし、1日、は長すぎるとして。10分に一回しか口を開かないとしても、もしその人間の発言に周りが冷水を浴びせられるようなことがあるのであれば、その人間は外してはいけない。

感情の高ぶりで物事が判断されようとしているのをストップかけてくれる存在だから。

と、これは話が少し脱線。


■怒りをクリエイティブに利用する。

吐き出したものを相手に見せてはいけない、という話をしました。

吐き出したもので相手をやっつけることもできる。しかし逆上し逆恨みされ、ずっと先の人生まで尾を引かれるだけ。あなたの怒りの感情をベースとしたひどい言葉だけが、相手の心に突き刺さったまま何年何十年と貴方の印象になる。

人は残念ながら悪い印象ほど本能的に覚える。それは性格が悪いとかそういうことじゃない。本能として自分を守るために、相手に対して悪い印象を記憶して警戒する。だから怒りにより相手を貶めることを続ければ、その相手は貴方の悪い印象ばかりを蓄積していく。

ただし怒りは大変良いエネルギーとなる。だからそのアウトプットをクリエイティビティに当てられると良い。怒りを作品や創作や別の仕事などにぶつける。これが人生トータルで考えると非常に見返りのある怒りの消化の仕方となる。

ともかく、怒りはそのまま相手に伝えても無意味。遺恨だけが残り、利益はない。

しかし、怒りを内包し続けてもダメ。自分が腐ってしまう。怒りをとにかく外に吐き出すことを意識する。


■怒りで相手を押さえつけることは出来ない

怒りで相手を制御しようとしたり怒りを相手に伝えることが正義だと思っている人は、怒りによるコミュニケーションには何の発展も無いことを覚えておくこと。これで人間関係は大分丸く収まる事が増える。

怒りをぶつけ合い喧嘩してなんぼだと思っている人も居るが、対立の先には必ずどちらかの勝ち負けが存在する。負けた側には怒りが新たに生まれる。

人間同士で直接怒りをぶつけ合うことに、特に意味はない。怒りはコミュニケーション手段になりえない。(でも人の意思を操作するのには使える)


■沈静化させようとしてはいけない

怒りは必ずどこかに何かの形で吐かないといけない。

沈静化は、心や身体に負担をかけて無理やり押さえ込むだけにすぎないから、絶対にどこかでガタが来る。

「怒らない人が良い」のは対人関係の間だけであって、それを真に受けて「怒らないことが正しい」だなんて受け取ってはいけない。絶対に怒りは何らかの形で自分の体から外に放流してあげなければならない。

怒りを内包し続ければ、その怒りは必ず自分の首を締め付けることになる。


■まとめ

怒りは吐き出すもので、そして、それは直接怒りの対象に吐き出してはいけない。こじれて終わるだけ。こじれさせたいならどうぞ吐き出すと良い。ただし殆どの場合良い結果は訪れない。
ただ怒りの力は非常に役に立つ。出来ればクリエイティブな、創造的な分野にこの怒りを込められると、良いエネルギーの再活用になる。

怒りパワーの有効活用をすることで、人間関係も人生のスキル体得などもどちらも良い事がある。怒りを正面からぶつけ続ける限り、人間関係はこじれ続ける(つらい) 

怒り(心の炎の静め方)
ティク・ナット・ハン
サンガ
2011-04-13