20161010


 少し前、「俺はまだ本気出してないだけ」という漫画が一部で流行りました。映画にもなりました。「やる気を出せば出来る」という考え方の不味さとか原因とかどうやったら治るのかとか色々考えてみました。



■「やる気を出せば」の不味さ

 まず、その想定している「やる気」とはどうやって出すものなのか、自分で本当に理解しているのか。やる気の出し方的ライフハックは多々あるが、それは本当に自分にマッチしたものなのか。過去にどうやったらやる気を出せたのか。逆に言えば「じゃあ何故今やる気が無い」のか。

「やる気を出せば」なんて、言ってる人は自分の力をまったく制御出来ていない、その割に自分に夢みたいな可能性を感じている人です。特に仕事や他人との付き合いにおいて、この「やる気を出せば」なんて事を基準に考えると、信用を失われる方向に。

そしてこれは悲しいかな、周囲から真面目に見見られている人ほどに失う信用の落差が大きい…人は見た目の印象になるのです。見た目の印象が実は自分の普段のハードルを上げているのです。


■スケジュール守れない人の「やる気を出せば」 そして信用を失う

 そもそも「やる気を出せば」という考え方は自分に対して非常に甘い計算をします。難しい工数の仕事が来たとしても「やる気を出せば」の基準で考えます。そしてその数値を相手に伝える。

後日。

「やる気」は出せなかったので、工数はこなせませんでした。クライアント側も激怒です。弁明はどうしましょう「相手側の見積もりが甘かった?」「やる気を出せなかったから?」そんな説明出来るわけがありません。(自己管理の甘さを遠回しにクライアント側のせいにする猛者も居ますが、一緒に仕事したいとは思われなくなりますね)


■自分の見積もりは「やる気に関係なく出来る範囲」からはじめる

 自分に期待値を上げすぎている人は「普段自分がどれほどの事をしているか」をとりあえず1ヶ月、せめて1週間ほど振り返って記録してみましょう。それで出た数字が普段のん貴方がこなせる仕事量です。びっくりしませんか、あまりのやってきたことの少なさに。私はびっくりしました。自分の理想のあまりの高さと現実に。何故こんな事からずっと目をそらしていたのかと。まぁ、自分が「こんなにも出来ない人間だ」と直視したくなかったからなんですけど。


■目を背けてきた「普通の状態」の自覚

 嫌なもんです。自分の出来なさを直視するというのは。逆に、思っていたよりも満足の行く結果になっていたのでしたら、それはむしろ大きな自信につながりますから堂々と胸を張った方が良いですね。

そのようにして「普段」の自分を知ることが出来たら、今度は少し頑張ったときの自分のことも徐々に記録していってみましょう。


■実は「やる気を出した」ところで大した変化は無い

 やる気というのは麻薬みたいなもんだと思ってます。だって、やる気を出すって単に「明日使うはずだったエネルギーの前借り」をしているだけなんですから。やる気を毎日出せば出すほど、いつか必ずショートします。「やる気がある状態をデフォに」なんて出来ないんです。そんなことは都合の良い言葉遊びです。

短期的な成果の後には、必ずショートし、ダレてしまう「ツケ」がまわってきます。その様相に周囲はがっかり。自分自身さえ自分に対してがっかりと。酷い人は鬱になってしまったりも。


■大事なのは「普段」を洗練すること

 「やる気のある」意識の高い状態の自分をデフォに添えず、普段のあるがままの自分を基準として、そこから改善を試みていくこと。普段できることの範囲を広げることが「やる気を出す」ことよりもよっっぽど重要なのです。その出来る範囲を広げるためにこそ、少しずつやる気を使うべきところ。

普段、つまり習慣ですね。はい定番の「環境を疑う」というところからです。その環境は本当に普段の自分を洗練させるためのものに仕上がっているのかどうか。とても大事なことです。是非とも一度自分を、自分の周囲を疑ってみてください。


■おわりに:ホントやめよう「貴方の本気はこんなものじゃない」系の教育

 親とかがたまにやる、テスト等の結果が好ましくなかった場合に「◯◯は調子よかったらもっと凄いもんね、今回は調子悪かったんだもんね」みたいな子供のプライドを守る声
がけ。これはホント、危険。

子供は単純なのです。「そうか、今回は調子が悪かっただけなのか」と自分のコンディションを誤認し、もっと危うい方向に行くと「調子が悪いときは励ましてもらえるのか」という知恵を得ます。

さて月日は流れ子は成長し。「今回もまだ本気じゃなかったからな」と、彼(彼女)は本来の自分の程度を未だ知らず、周囲からは「◯◯っていっつも調子悪いで誤魔化すよね」との噂も広まり…

とまぁこれは過剰な表現ですが、実際にこうした子を想っての励ましのおかげで将来に暗雲が立ち込める、なんて事もあったり。教育、とても大事。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復
スティーブン・R・コヴィー
キングベアー出版
2014-05-23