20160907


恥かくの辛いですよね。衆目に晒されて恥をかかされた時なんて何度死んでやろうかとお前ら全員巻き込んで死んでやろうかと考えたものです。この一文だけ作為的に切り取られると大変つらい。

人は自尊心と自己愛を守る上で、恥をかくのは極力避ける生き物ですから、恥をかくことは本能的に避けて然るべきな面はあります。しかし恥のメリットは沢山あるのでございます。



■恥をかくデメリット

先にデメリットを上げましょうか。

・自分の心が傷つく
これは非常につらい。自分に対する自信を失う。惨めな思いが脳内をかけめぐり、目の前が暗くなり、もうダメだもうダメだとあらゆることに否定的になってしまう。つらい。心臓に剛毛をはやさないと耐えられない。

・周囲も恥をかく
自分の恥は自分だけのものではなく、場合によっては自分に関わる人、親しい人に対しても恥を生むことになる。これも大変つらい。


自分も傷ついて、周りにも迷惑をかける(かもしれない)恥をかくというのはこうしたデメリットがついてまわりますし、大抵これらが辛いから人は恥を避けるわけでございます。


■恥のメリット

・みんな恥をかかないから、恥をかいた経験が武器になる
恥をかかされるということは、先述した通りにデメリットが大きなものです。だから極力皆が避けて通る道。避けて通るということは。その体験をした人は希少価値を持ちます。

例えば数年前から「しくじり先生」なる番組が放送されていますが、あれらは芸能人・著名人のしくじり、失敗を取り上げて「俺みたいになるな」とユーザー側に反面教師としての情報を提供しています。(視聴率的には10%前半で推移してるようですね。数値的には低いですが最近テレビ全体の視聴率も低いのを考えればそこそこ良い数字な気も)

武器と表記すると仰々しいですが、トークのネタにもなるし、例えば何か執筆するにしてもネタになりますし、利用方法は色々とあります。

ともかく、皆が手を伸ばさないものに手を伸ばして、しかも失敗して恥かいてるなんて相当に稀有なこと。


・恥をかくほど、もっと大きな恥をかける
先ほど、恥をかくと自分の心が摩耗してしまう話をしました。耐えるには心臓に剛毛でもはやさないとダメだと。剛毛生やすってどういうことかというと、ある程度の傲慢さとか鈍感さとかを手に入れる必要があると。

一つは、それこそ自己啓発でもして自分に仮の自信を与えること。ゲーム的には「デバフ効果」を自分の精神にかけてやるって考え方ですね。ただ自己啓発ばっかりに時間割いてもいられない。

で、表題の、恥をかくほど大きな恥をかける。小さな恥をかきつづける事で「これくらいならまぁ大丈夫か」と、自分の心が慣れていく。慣れたら、もう少し辛い恥をかく。これにもいずれ慣れる。そうやって「いつか本当につらい恥をかいてしまう時」に備える。そしてその恥も、大いに武器になる。

ただ、それにより心が摩耗し切ると、壊れてしまいますから「今はダメだ」って時は一旦逃げちゃうのも手だと思います。心が嫌がることをするのですから、多少の無理は必要ですが、過剰に無理させることまではないのです。


■隠れてしたたかに恥をかく

 恥のメリットデメリットをかきましたが、あとは恥のかき方の問題。私の体験としては正直んなところ、普段は一人で恥をかきつづけた方が良いと思うのですよね…。

自分が恥をかく時に、例えば友達が周囲に居るならば友達も一緒に恥をかかせてしまう。もし、会社の名前を使って外で交流していたとしたら、自分の恥は会社全体の恥になってしまう。配偶者がいれば、相手にも。

だから基本的に恥から何かを学ぶにしても、それは極力一人の時。これが私的に長く恥をかいてきて思うことです。何を偉そうにって話だとは思いますが。


■恥の多い人生です(現在進行形)

 私は「恥の多い人生でした」と言えればいいのですが現在進行形で恥の多い人生です。つらい。しかし恥を避けてきた人生でもありました。だから意識的に恥をかくようになってみて、それで得るものの大きさを実感してみて、私はどうしてこんな大切なことからずっと逃げてきたのだろうと後悔しました。

恥をかいてこなかったことが、私の人生においての恥であると、今は思います。うまいこと言ったつもりです。おわり。