20160826


「自分で考えろ」とか「そんなことも分からないのか」とか、定義はまちまちですが指示や采配がビミョーな上司というのは確かに存在します。私もその手の上司には苦しみましたし、自分もそうなっていやいないかと常にヒヤヒヤしてます。

さて「無能な上司の判断基準」みたいなものはよく見かけるのですが、なんせ架空の上司をボコボコにしてはーすっきり、といった記事ばかり。
なので、そんな無能上司の元で働くことになったらどうしたらいいのか。対処法を考えましょう。

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■無能上司の「自分で考えろ」ってどんな意味?

1.(俺の考えに沿ったもの)を自分で考えろ
2.分からないだろうから俺に質問しろ
3.俺も分かんないからお前が代わりに考えろ

大体どれかです。
1については、そもそも本人じゃないんだから無理ある。
2については、そんなこと知るかという話。
3については、じゃあ先に上に確認とれよ、という話。


■どう対処しよう

 上司の指示のせいでうまくいかなくてグダグダになって「アンタがちゃんと指示出さないからだろ」で衝突するのもまた一つの手なのですが、実際そこまで衝突してやる義理も無い、あるいは衝突が嫌だから黙って従って我慢する、などは御免被りたいところですね。


■悪手について

 対処方法の前に、この手の指示に対してあまり良い結果にならない事柄について。

◯言われたとおり自分の考えで作業を進めて提出する
これダメなパターン。大体ロクなことになりません。この種の手合は、前述したとおり概ね「あなたの考え」は求められていないからです。次に出る言葉はおそらく「時間を無駄にするな」とかです。最悪ですね。はぁ。

相手の心を隅々まで理解して、相手が何を求めているか正確に読み取れる一流のホテルマンのような人であれば話は別です(が、そもそもそんな人はさっさと出世したり見切りをつけて転職でもしそうなもの)


■対処法いくつか

というわけで対処法について考えていきましょう。


■1.問い詰めて、責任を分散させる

自分の実力では難しいから、分からないから、詳しく教えて欲しいと問い詰める。

ポイントは「上司の時間を無駄にしたくないので」という構えで居ること。
私が自分で考えたことで、あなたの希望に添えない結果を出してしまって時間を無駄にしてしまう事が嫌なので、あなたのためを思ってるです、っていうアピールです。

これで部下側には仕事を円滑に進めたい、という大義名分が生まれ、それについての助言を求めているのに上司側が答えないのであれば、上司側にも責任が発生し始めます。部下側は勝手な判断はしてないわけですからね。

部下側にとって大事なのは、言われたままに取り組んで失敗した時に、責任を自分だけが被ってしまう状況を回避することです。

ただこれは、あまり強く出過ぎると遺恨が発生してしまい面倒くさいことになる可能性もあります。相手や周囲、自分のキャラクター性なども見て判断する必要アリです。


■2.パターンを提示する

相手が聞きづらい、問い詰めづらいめんどくさい相手だったらどうするか。

この場合は、危険回避のためにパターンを提示します。自分の判断のものと、多分上司側が求めてそうなことと、あと何かしら1パターンなど。

で、「自分で考えたらこうだと思いました。でも不安だったので上司さんはこう思ってるのかもしれないというパターンも作りました」と提示する。

1パターンだけの提示は、仮にそれの的が外れていた場合に、自分が責めに遭う確率が高いです。しかし選択肢を提示することで、方向性の確認などがとれます。コミュニケーションしてやるのです。言い方はアレですが、でも無能な上司にはコミュニケーション「してやる」腹積もりでやりましょう。


■気づく上司、気づかない上司

 これらの対処って、上司側が段々気づいていきます。「あ、こいつ面倒い奴だからちゃんと指示出しておこう」と。面倒な奴だと思われることで、上司側も面倒にならないようにはじめからちゃんと指示を出すようになっていったりします。適当な指示が減ることでリスク回避が出来る。

他方でその動きを警戒して、潰しにかかってくる上司も居ます。それがまかり通ってる会社であればその企業は警報鳴りまくりのブラックなので、早いとこ転職オススメします。
過去に「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」という体験談ベースの書籍がありましたが、その中に出てくる主人公の上司が典型例だと思います。




スレ読んでて当時胃が痛くなった思い出。
若干創作くささはあるものの、読み物としても面白い内容でした。ビジネス文学?

でもその上司だけが無能なら、周りがその様子を見て、貴方と上司の評価を逆転させていくでしょう。


■3.指揮権を少しずつ移譲させる

 前述した「3、俺も分からないからお前が考えろ」について。これまでの対処についてなんら反応の無く、指示にまったく改善が見られず、自分の手柄で部下が育ったなどと勘違いしている上司について。

この上司からは徐々に指揮権を自分へと移譲させる事が望ましいです。もっと上と直接繋がる機会を得ていく。自分が決裁者になり、コントロール出来る立場になる。

大事なのは、少しずつ少しずつ移譲させることです。突然の改革は必ず遺恨を発生させます。コレに関して


こちらの記事で詳しく説明していますので合わせて参考にいただければと。突然の変革は相手の歴史を踏みにじることになり、それは相手に対するモチベーションの低下や敵意を生みます。だから、変革は仲間を集め理解を集め徐々に。


■無能な上司は変化させるか、離れるかが必要

 無能な上司は、肩書に権威を見出し、自分が本来果たすべき仕事を忘れた人だと思います。組織が何のために働くのかを忘れ、自分の席を守ろうとするだけの人といつまでも従っていては、部下側は追いつめられていきます。勿論その上司が家庭を持ち、守ろうとしているのかもしれませんが、だから仕事をしない無能で良いという話ではないです。下手をするとその上司に染められてしまい、自分もいずれ無能な上司になっていきます。

上司が無能だと愚痴ることは簡単です。しかし、そうした無能な人から自分の人生を守るには結局自分で頭を使って、立ち向かうしかないのです。

それには自分が変わって相手を変化させるか、さもなくばその人から離れる手立てを考えるかです。相手は勝手には変わりませんから、やはり自分を変えていくしかありません。


でも、事を荒立てすぎず。こうした人は、自分の立場に敏感な、その方面ではやり手である確率は高いです(だからこそ上に居るわけで)相手を舐めること無く、慎重に、したたかに。


■そんなに頑張りたくない ほどほどでいい

 そういう考えもアリだと思います。対処しないというのも一つの道だと思います。割り切ることもまた大切。世の中には個人が多少頑張ったところでどうしようもない構造が組み上がっているような場所がそこら中に溢れています。

なのでこれらの対処は「トータルで考えて自分にメリットがあると判断した場合」に考えてみるのが良いのではないかなーと思う次第でございます。


■スーパーレア:本当に部下に、自分で考えさせようとしている上司

 散々色々書きましたが、表では無能を演じながら、裏では全て責任を背負い、部下が「自分で考える」時間を作るために尽力するスーパーレア上司も居ます。場所によってはレアじゃない場合も? 

そういった人の下に就けたなら是非その環境を利用して、目一杯自分で考えて頭を鍛えるのが良いと思われます。適度なストレスを与えてくれる人は、なんでもやってくれる人よりも実は自分が成長する上ではブーストをかける存在になってくれたりもしますから。