【早寝早起きごはんフォーラムinほっかいどう 話す場所 スマホじゃないんだ 食卓だ ~大切な子供たちの未来へ届けるメッセージ~】
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/sgg/undou/haynehayaoki.htm
という講演会がございまして、そこに川島教授が来られていました。
折角の基調講演だったので断片的ではありますがメモ書き残しておきます。
画像データはあとで追加できそうならしておきます。
■基調講演内容
川島隆太
「生活習慣と子供の心身の発達~脳科学から見るネット社会の影響~」
東北大学加齢医学研究所
○子供の基本的な生活習慣 メディアが子供たちに与える影響
・朝食習慣と学力について調査
上位層 ほぼ食べる
下位層 食べない割合が多い
・睡眠習慣
上位層 半数以上が午後10時以内に
下位層 寝る時間が遅い
・家族間のコミュニケーション
上位層 約6割の子らが親に話を聞いてもらえていると思っている
下位層 その割合が低い
■子供と睡眠
論理的考察:睡眠と脳機能発達の関係
現代における生活環境
夜更かし型生活
子供たちの脳の状態が非常にリスクを伴っている。
昨今の社会というのは子供が夜遅くまで起きている仕組みが出来上がっている。
例えば夜の9時から2時間ジブリ映画がやっていたり。
「はぁつかれた」と中高年のおじさんみたいな事を言う子らが増えている。彼らは睡眠時間を確保出来ていないから疲れがとれていない。
休日にいつもどおり起きれないのであれば睡眠不足は間違いない。
■レム睡眠とノンレム睡眠
レム睡眠(眠りが浅い) この際に学習内容が記憶に固定される 脳が復習する時間
ノンレム睡眠(眠りが深い) この際に成長ホルモンが多く分泌されている
最適睡眠時間は6時間~8時間ということ。
寝ないと、どんなに努力しても努力が身にならない。
余談として、レム睡眠はこの睡眠時間に対して5~6回は見ていて、私達が夢を記憶した状態で目が覚めるのは最後のレム睡眠の時。
■大人の残業についての社会実験
定時に帰らせる実験をしたら仕事能率が上がった
時間を決めない人らはいつまでもダラダラ仕事して、結局かえって仕事能率が悪かった
■睡眠不足の子供はどんな運命をたどる?
体力もつかず記憶力もつかずに…
しかし寝過ぎもいけない。
6~8時間の適正睡眠時間以上眠ることは、浅い眠りを繰り返すだけで疲労してしまう。
■メディアと睡眠
スマホは寝るときに電源を切る
こんな当たり前の事を親も社会も言わない
電源を切らないからいつでも臨戦状態になり
深い睡眠が得られない
長く寝すぎる人は、深い眠りを得られていない
被災地の子供たちの学力問題
狭い仮設住宅内で子供と大人との時間を切り離せないために
子供が深い睡眠を得られなくなっている
アルツハイマーは海馬の体積がなくなることが起因しているとされている。
子供たちは睡眠によって海馬も育っている
夜更かしは子供らにその成長を妨げる
リスクだけを与えることになる
■メディアやIT機器と子供の発達
テレビ視聴の影響
ほとんどの番組で、TV視聴中に背外側前頭前野は抑制される。
長時間TV視聴はうつ状態および認知機能低下のリスクファクターである
・TV視聴は子供の注意能力を低下させる
・TV視聴は子供の言語能力を低下させる
TVは視覚と聴覚部分しか用いない
小児科医たちは3~5歳までテレビを見せない推奨をしている。
しかしそれはTV局が封殺する。
長時間のテレビ視聴は子供の脳発達を阻害する
テレビを視聴する時間が長いほど
言語性知能指数の発達が悪くなる
テレビの視聴時間の長さと相関して大脳皮質の発達が悪くなる領域
この論文を発表すると海外メディアから様々な問い合わせを受けた。
日本のメディアだけが封殺する。
この研究データを開示しない。
それが日本のメディアである。
ただ、脳を休ませるうえでのTV視聴は、
脳が受け取る情報は抑えられる リラクゼーションになる。
■テレビゲームの影響
新しいゲームをプレイしている最中は色々な脳の部分が使われる
ゲームは脳の後ろ側をよく使う
読書後は記憶力の上昇がみられる
ゲームが学力に与える影響(習慣化の影響)
国語力についてゲームをすればするほど成績が下がる
それは勉強時間が増えたとしても。
ゲームを全くやらない子と
毎日勉強を2時間以上してゲームを4時間以上する子は
成績がほぼ一緒になってしまっている。
どういうことか?
つまり、ゲームをすることによって学校でやったことを忘れている。
せっかくの努力が忘れ去られてしまう。
ただ、1時間程度ゲームをする子らについては少し上昇傾向がある。
この辺は貧富の差と学力バランスとかにも関連する(ココらへんあんまりうまく聞き取れなかった)
※そもそも脳トレを作った教授が矛盾した事言ってる気もするけどあれはひとつの実験データとる意味もあったんじゃないかと解釈。実際ネイチャー論文でゲームでの記憶力の増加等について効果は無い、という論調にたいして否定はしないような見解があったので。
喉元までツッコミが出かけたがwiki内で書かれてた。
■パソコン・タブレット使用が学力に与える影響
パソコン・タブレットの使用時間は直接効果があることが大きいとされている(理由はまだわからないが)間接的な学習時間の低下や睡眠時間の低下よりも深刻に。このへんも利用時間が長い子らほど学力の低下につながっている、
■LINEについて
メールとの最大の違いはやはりグループについて
既読問題などもあり、コミュニケーションが終わらない
常にLINEを意識することになる
こうなると学習に集中する機会が奪われていく
■大人がスマホやめろなんて言えない
今の子供たちはメディアを通して大人の薄汚れた姿を知っている
彼らに大人が頭ごなしで説法垂れることは無理。
ただ、科学的論拠のあるデータを見せる。
彼ら自身に考えさせる。
あるクラスでは担任が授業中のスマホ利用に注意呼びかけではなく、実際のデータを子供らに与えた。結果、自発的にスマホをやめるような動きも出ていたりする。
■子供で金を稼ごうとする大人たち
子どもたちはゲームなどに対する抑制がきかない。そうした子どもたちにとってゲームプレイの制限をかけないことは明らかに子どもたちの未来を削りとっている。実際任天堂と話をしていて、もし政府的な動きがあるようであれば任天堂はデイタイマーの導入も検討しているとか。
■スマホと子育て
子供の目を見ずスマホを見ながら授乳する母親たち。
子供は30cmしか認識できない。
そうして育った子供たちをサイレントベイビーと読んでいる。
症状としては、他者の気持ちを一切理解しない。理解する能力が無い。
新しい形の認知障害
神経小児科医たちが警鐘を鳴らしている。
彼らのような子らが多く社会に出れば、社会性無く自分だけが中心の人間が多く生まれてしまい、社会として機能が難しくなる。平気で税金も払わないとか。
■朝食と脳
・神経細胞はブドウ糖のみをエネルギー源としている
脳内にはエネルギーを保存する場所がないため、常にブドウ糖を供給しなくてはいけない。
でんぷん質の摂取が必要
朝食習慣と大学入試の関係
偏差値にやはり差が出ている
統計的には就職活動等にも影響出る
■私たちの脳はブドウ糖だけではうまく機能しない
ブドウ糖代謝に影響を与える物質
・ブドウ糖代謝を更新すると考えられているもの
ービタミンB1
ークロム
ーリジン(必須アミノ酸)
ーアルファリポ酸
・ブドウ糖代謝を抑制すると考えられるもの
ートリプトファン(必須アミノ酸)
■子供の内発的と外発的モチベーションについて
色々あったんですが、私も以前記事として扱ったコレにだいたい記してる通りな感じです
http://majikuzu.doorblog.jp/archives/36188692.html
■以下感想等まとめ
ちょっと画像付きのスライドが多かったため文章だけでのまとめが難しかった。可能であればあとで撮影したスライド画像も添付できればと考えています。
全体としては睡眠時間と現在の社会のタイムテーブルの抜本的な見直しについて。
それからディスプレイを通したメディア媒体に対する脳の発達の問題点。
あとは食育に関してのものでした。
何かしら参考になればと思います。
特にメディア問題は色々考えてしまいました。別視点から、やっぱり経済的な面などで成功をしている人たちはテレビあんまり見ない傾向はあるなぁとは思っていたのですが、そこの理論が脳の発達部分できちんと説明のつく話なのだなぁというのが非常に腑に落ちました。TV捨てようとは思いませんが目的なくテレビつけることは極力避けねばと思います。
あとは大人になっても勉強の大切さを知ると同時にその記憶をつけるには、というのを考えるとしっかり寝る事こそが何より大切であるというのは、改めて意識しなければなと感じております。
というわけでして私としては得るものの多い講演でした。
川島隆太教授ならびに
主催の、北海道子どもの生活習慣づくり実行委員会様川島隆太教授ならびに
共催の、早寝早起き朝ごはん全国協議会様 北海道教育委員会様 札幌市教育委員会様
貴重なお時間誠にありがとうございました
※大事なことなので追記
「この内容は私の主観ではございません」
12月28日追記
大事な問があったのでこちらで掲載(メアド書いてなかったので返信しようがありませんでした)
いつも興味深くブログ拝見させていただいています。
今回の記事でゲームやテレビと学習についての関連が指摘されていましたが、私はゲームやテレビを完全に遮断してしまうのもそれはそれで問題だと考えています。
私自身、子供時代にゲームやテレビを満足に与えられずに禁止されて育ちました。
しかし、そのせいで周りの子供達との共通の話題を失い周囲とうまく馴染めなかった経緯があります。
このことは現在の私にも影響を与えており、自己肯定感が低くコミュニュケーションがうまく取れない一因になったと感じています。
また、子供の頃からIT機器に触れておくことはこれからの社会に必要不可欠な能力を育てることにも繋がると思います。
ですので社会で子供にそれらを与えることが主流になっている以上、そこから極端に外れた行動を取ることは、むしろ不適合を生むのではないでしょうか。
この記事の趣旨は答えを求めることではないので、それはそれ、これはこれだと思うんですね。
なので私の主観で何か答えるものではないと思いますので記載だけいたします。
一応答えにならない答えとしては
私達は自分の過去の因果なども合わせ、物事に白黒をはっきりさせがちです。
今回の記事の本質としては、じゃあ子どもからテレビ取り上げようゲーム取り上げようIT機器に触れさせないようにしよう、という話の趣旨じゃないと思うわけです。親として、この結果を踏まえた上で彼らにどう歩み寄るべきだろうか。自分たちはその上で子どもたちにどう育ってほしいか。そういうものであります。
自分は自分で歩んできてしまった道はもう変わらないからそれはそれで自分の問題として解決しなきゃいけない。それを自分を投影して子どもたち論にするのはこれはちょっと了見が違ってくる。
ところが世の中そうした「自分はこうだったから」という前提から始まる意見が多いんですね。研究とはそれらを踏まえて「自分の主観」からどれだけデータとを切り離して考えるものか、というものであると思います。
というわけでこの主張に私はやっぱり明確に何か答えられるものはありませんです。あえて定義するならば、そうだとも思うし違うとも思う、というものだと思います。
コメント
コメント一覧 (3)
メールアドレスを記載しておいたので何かあればそちらにお願いします。
速いを遮で認識とかクズ野郎