20140703
出典:いらすとや

 情報を仕入れないと本当にディスアドバンテージなのか試してみたこともあるんですが、ディスアドバンテージだらけでしたね…。その余剰時間で勉強するといえばそうでもなく、私の場合は結局娯楽消費に走ってしまうようで。
情報を制するものはいつの時代も生き残るのでありまして、そうなると常に情報の海に身をさらしておくことは大切なのだと感じます。

そんなわけで今週もニュース斜め読み。 


 

■ニュース・経済・ビジネス・サービス

○Makers Hub

 MAKERSムーブメント冷めやらぬ昨今ですが、彼らの発表の場が生まれておりました。自作の様々なガジェットや手芸品など主に「MAKERS」として作ったものを発表、販売できる仕組みづくりがなされているWEBサービス。
今後更に注目が集まっていきそうです。


○トヨタが東大で力説、「僕らを助けて下さい」

 基本的にトヨタはEVに舵切りしないかぎりはもうダメなんじゃないかと…。助けても何も、これまでのガソリン車とは全く違った格安車が生まれそうなEV産業に踏み出さないで「買わない若者が悪い 若い技術者は来てほしい」と言われてもなぁ…。

産業として未来がありますよ、というアプローチかけていけないと無理じゃないかな…。あとは値段が高すぎる自動車がEVによって変化の節目を迎えているように思うので底に対する動きが無い、って感じてしまうと。


○エボラ出血熱の治療薬が簡単にできない理由

 端的に言うと「ペイしない」感染症とのこと。製薬会社もボランティアで薬の開発してるわけじゃないから現実的に経済的に貧しい国への医薬品開発は意味が無いってことみたい。こういう視点はまともに考えればそうなのだけど、あまり持っていなかったので目から鱗でした。

80年台のエイズの扱いについて題材にしていた「ダラスバイヤーズクラブ」という映画においても、新薬はあくまでビジネス的価値があるモノが優先され、その副作用如何へは主人公が必死に求めるも、届かないまま、という内容で描かれていました。主人公は当時非正規だった薬品を国外から持ち込んで治療を続けていたのですが…こういうのを見ても、ビジネスと医療と感染症という関係は現在も変わらないんだなぁと感じてしまいます。

一部では、この60日間以内に収束が出来なければ世界的な蔓延はもう歯止めが効かないとのこと。ワクチンができるのも1年後と言われているらしいので、世界的にインフラが確保された今の時代では一気にパンデミックのおそれがありますね…割りと外出規制なんかも想定して備えておくだけはしておいたほうが良いように思ってしまったり。



○ニコニコ生放送でうまい棒や塩水などを差し入れできる「あちらのお客様からシステム」とは?

 面白いシステム(笑) 水一杯500円などなかなか高いのですが、いたずら目的で使われないためなどの配慮もあるのでしょう。素人でもだれでもアーティスティックに活動して、ウケればそれに見合ったものが提供されるという仕組みづくりが続いているニコ動。


○Twitterが口座の詳細情報なしで個人宛の送金ができるサービスを開始

 こちらもサービスとしては投げ銭に近い形になっていくのでしょうか。信頼置ける人になればなるだけそこにお金が集まるような仕組みが築かれていっているように感じます。


○<7月〜9月>激戦区のニュース・キュレーションアプリの比較<Gunosy、SmartNews、Antenna、Yahoo!ニュース、LINEニュース、NewsPicks>

 すっかりニュースキュレーションの戦線はある程度の枠組みが仕上がってきたように感じます。特筆すべきは数多くの有識者を抱えたNewsPicsでしょうか。他アプリよりも圧倒的にダウンロード数が少ないのに拡散力が異様に有るというのは、バイラルの次にキュレーター達による発信の信用に比重が置かれる時代の到来を予期させます。
バイラルはすぐに飽和状態になる先が見えてますからね。


○なぜ若者の地域離れが止まらないのか?彼らが故郷を捨てる、3つの意外な理由

 雇用がなければ都市は機能しない。雇用が創出されればそこに人は未来を感じて集まる。若者は特に未来に敏感だから、その未来が無い地方から若者が離れるのは必然で、何か的はずれな内容だった…。


○Googleの冷蔵庫を狙うマーケティング戦略

 シリコンバレーで「おーいお茶」を流行らせた人のお話。営業について語られており何かと参考になる内容でした。現在連載2回目。ビジネスにおいてもやはりふとした人のハブを最大限利用する頭を使うことについて考えさせられました。


○最新版!「40歳年収が高い会社」トップ300 | ランキング | 東洋経済オンライン

ランクインしている情報を業種で集計してみました

01.情報・通信業 62
02.卸売 25
03.サービス業 24
04.医薬品 24
05.建設業 18
06.不動産業 18
07.化学 17
08.食料品 16
09.銀行業 13
10.電気機器 12
11.証券、商品先物取引業 10
12.海運業 8
13.機械 7
14.その他金融業 6
15.保険業 6
16.石油・石炭製品 5
17.倉庫・運輸関連業 5
18.輸送用機器 4
19.陸運業 3
20.鉱業 3
21.金属製品 2
22.小売業 2
23.その他製品 2
24.電気・ガス業 2
25.ガラス・土石製品 1
26.鋼鉄 1
27.精密機器 1
28.電気通信 1
29.パルプ・紙 1
30.非鉄金属 1

数値で見ると当たり前ではありますが改めて情報通信業に大きくお金が動いているのが伺えますね。非上場も合わせるとどうなるのか。

こうしたものも就職の指標として参考になるのではないかと思われます。


○ニーチェの名言に見る「アートと都市」

 竹中平蔵さんの記事。都市は繁栄を迎えた先にどこに向かうかというと、アートとして情報を整理させていくということみたいです。思い返せばiPhoneも「スマートフォン」という概念をその優れたデザイン性で大きく世に認知させました。

その他にもセブンイレブンも佐藤可士和さんにデザインを一任することによって大きく業績を伸ばしました。

フォルクスワーゲンもアウディもデザインの一新により一気に業績を伸ばしました。

アートとビジネスの親和性は特に飽和した産業において次のステップであり、経済繁栄の過渡期を迎えた日本も次はゆるやかに構造を際デザインする時期なのでしょう。


○なぜ僕は、nanapiをKDDIに売ったのか


「スマホコンテンツバブル」がやってくる

こちらと合わせて読みたい記事。
大きな企業は現在「大企業」という枠組みを持つ、いわば「ハードウェア」の状態。WiiとかPS3みたいな状態。ハードウェア事業が儲かるにはどうすればいいかというと、良質なコンテンツを提供すること。ところが大企業が必ずしも良質なコンテンツを発信できるわけじゃない。

そうなってくるとこれから資本力のある企業が何よりほしいのは、現状たくさんのユーザーをかかえるコンテンツを持っている企業の買収。

現にGoogleやらFacebookやらもこの動きは顕著。

というわけでスマホマーケットも徐々に混戦状態から、メガベンチャーや大企業が自社の企業としての更なる魅力を向上させるために、こうした良質コンテンツを囲い込み始めるであろう、という事でした。

なので資本力が少ない企業は今後コンテンツ力がものを言うようになるようになりそう。個人においても良質なコンテンツを作れる人はこれからの時代強そうだなぁ、と。



○地方都市で新しい企業が生まれるにはどうしたら?――福岡市の試み

 東京の真似事をしても、東京に行けばいい、てだけの話になってしまいますから、各々の地方がもっと俯瞰から見下ろして、その地域の何が優れていて何がダメなのかを自覚してその特性を活かす方向に舵切りがしていければ・・・というような話。
実際福岡は現在経済活動がかなり盛んになっているようで。


■考え方・コラムなど

○Twitterのコミュニティ哲学とは?創業者の本の解説を書きました

 Twitterの基本的な理念は性善説からくるもののようです。特に気になった部分は「人間の悪意は長続きしない」という箇所。荒らしや炎上を行い続けるにも体力が必要であって、人間はもっと善意からの行動に抵抗なくエネルギーが使える、といった話。なるほどなぁと膝を打ちました。


○本当は「働きたくない」だけなんじゃないの?

 「若者」でくくるとこの問題は実に焦点がボケるんですよね…。若者に対して扇情的な文章を見るにつけて思うのは「女はこうしたら落とせる」ってレベルの話じゃん、と。

「働きたくない人」「働きたいけど精神的事情で働けない人」「働きたいけど身体的事情で働けない人」「働きたいけど家庭事情で働けない人」細分化するだけで結構な数が出たりする。

高齢者に対しても同じこと言えますし、なんというか「人それぞれに事情を抱えている」っていうのを許容できなくなるとどんどん殺伐とした世の中になっていくよなぁと。



○「あさイチ」で有働アナを守るイノッチの勇気ある発言が男前すぎる!各所で朝から共感の嵐

 つまるところ、親しき仲にも礼儀ありということが驚かれるテレビ業界の闇がかいま見えるような内容でもありました。これから社会が貨幣以外の評価に徐々に移行するにあたっていかにこの「人徳」を貫けるかというのも大切だと思います。イノッチは本当に男前。



■その他ライフハックやテクノロジー等気になった記事

○ラスタ画像をベクタ画像へ変換

 わたし仕事でイラレはそんなに使っていなくもっぱらPS派だったのでいつの間にかこんな機能ができていたとは知りませんでした…。ラスタ画像というのは引き伸ばしたら荒れるデータで、ベクタ画像とは引き伸ばしても荒れる心配の無いデータのことです。


○第二次世界大戦中のライフハック「仕事を進まなくさせる8ヵ条」

 「サボタージュ・マニュアル」というらしいです。アメリカでは大戦中にこのような戦略を敵国に仕掛けていたとか?いやぁすごい…。端的にまとめると、無駄な会議、進捗の遅延を発生させるような仕組みを作り、敵国に対して内部的なフラストレーションを高め、経済や指揮の崩壊を目指すものらしいです。

まんま日本のダメ企業がやってる会議内容でちょっと笑います。いや笑い事じゃない。


○UIの話は会議室でするな

 これもサポタージュマニュアルに対する懐疑から。特にこうした開発における重要な話を周囲の耳に届かせないのは問題で、いちいち会議決定しているような組織運営だったらちょっと問題ありますよーという話。至極同意です。


○10000時間プログラミングまで後5年

 人が様々な分野で何かを習熟するにあたり1万時間必要だというお話。何度か話題にあげていますが改めて。自分の普段の時間配分を考えて、1日に何時間習熟したいことに時間を当てられているかを計算して、そこから必要日数など割り出しておくと、無下に時間を浪費している気分にならなくて済むと思います。


○スマホ時代はGoogle検索が激減する:「コンテンツの面白さ」だけが評価される時代に!

 ネットで「何かを調べよう」というのは間違いなくもうただの手間なんですよね。パッとスマホ見て、面白い情報が流れてくるアプリ、そのアプリの中にある面白いコンテンツ。そうしたものに消費の比重は加速していく、と。
一昔前は雑誌が担っていた分野だったんですけどね。ユーザーニーズが劇的に変化しているわけではなく、マイルドヤンキーと言われる消費嗜好の人たちがあっちへこっちへとより消費しやすい方向に移っているだけなんだと感じます。コンテンツ自体が求められている事は大きな変化ではなく、そうした時代の変化に則したものにすぎない、と。

だからその時代時代にあわせた面白いコンテンツを作れる人たちはこれからも生き残れるのでしょうきっと。





■今週のイチオシ

○僕が人生で学んだこと。それは『人の意見は聞くな』だった


とても大切なことが書かれています。私の注釈としては、「人の意見」というのは意思決定おける部分になってしまうと「自分の責任にならない」。自分が決めなかったことは、経験値として自分の中にストックされないのですね。これが非常に具合が悪い。

参考として人の意見を聞くことはとても大切。自分だけの感覚に陥ると、問題点などにも目を塞ぐことになりますから。より良い意見を聞き漏らすことになりますから。

どちらかというとここで触れられている「人の意見」というのは、「あなたはこうすべきだ」というおせっかいや親切などを何とか汲み取ろうとする事。あるいは人の指図を受け入れる事。

あくまで、最後は何をするにしたって自分の責任で。この心構えになっておかないと、いつまでもいつまでも自分の人生の糧としての蓄積がされていかない。


■編集後記

 ふと、エボラが本当にパンデミックレベルで世界中に蔓延したときのことを考えています。外出規制がかかり、地方自治体からの乏しい支援でなんとかやり過ごす日々。経済活動は破綻して、仕事という仕事もなくなり、多くの個人は社会的にも経済的にも孤立する。

そうなった時に、はたして今の仕事に何の価値があるのか。そういう災厄が訪れた時に本当に大切なのは何を持っていることなのか。何をしていることなのか。

逆算すると
1.自給自足がある程度行える独立したコミュニティを持っていること(小さな村を持っているとかそういう事)
2.社会的に意義ある地位にあったり研究を行っており、社会に求められる人材になっていること
3.どんな分野でもいいからとにかく「あなたが居ないと困るんです」という人になっていること
4.社会インフラ回復までの膨大な備蓄を持っていること

いずれかの要素が必要になってくると思います。
命の危機まで回帰した時に初めて人は、何を持って今の社会活動をしているのかに目が無くのだろうかと感じてしまいます。

多くの個人は現状せめて「4」を確保するためにどうなっていかなければならないのかを日々考えないといけないのかなと思います。

そこすら放棄して「生きる意味が分からない」というのは「生きられることが当たり前すぎるから危機意識が失われている」だけなのかなと。

3.11において経済活動は目に見えて変化が生まれているといいますが、それにつけても結局人は悲しいかな忘れていく生き物でありまして。

そんなわけでエボラって存外世界規模の歴史的な災厄になる可能性が1%程はあると思いますので、ここに来て「生きるために 死なないために」を意識して生きてみて「生」の実感を噛み締めてみるのも悪くはないんじゃないかなと思いました。

エボラ怖いですね。

いやほんと。