最近訪れた札幌のあるピザ屋さんの経営モデルがとても優れていたなーと思ったのでメモしておきます。




■ピッツェリア・ダ・マッシモ(PIZZERIA DA MASSIMO)


 お店の名前。写真とかは撮ってないので画像はありません。食べログからご覧いただければと。札幌市白石区川下2条5丁目2-8。別に店の回し者でもなんでもないです。



■ピザが2種類しか無い

・マリナーラ  750円
・マルゲリータ 900円

食べ物のメニューはこれしかありません。潔い。これが、とにかくすごい。



■早い、とにかく早い

 奥さんと昼時に行ったのですが、店内は席が12。残り2席だったところで着席できました。メニューを見て「本当に2種だ・・・」と改めて当たり前な感想を頭に浮かべながら注文。

注文して5分もしないで、マリナーラが到着。早い。そして、うまい。生地がカリモフ。出来たてピザは本当にうまい。

食べ終わるタイミングでマルゲリータも到着。旨い。安いピザにありがちなチーズが少ないということもなく、普通に旨い。書いててお腹減っていた。



■特化したビジネスモデル

 大体1組につき2~30分の程度の滞在。
ここのお店、水も有料で、長居するタイプのお店じゃないのです。
加えて2種しかメニューが無いからすぐに出来上がる。だから、客の回転率がすごく良い。

1時間あたり12席が2.2回転程。客単価は飲み物含めて約1000円。ざっくり見積もって1時間2万7000円。
しかも昼飯時3時間と夕飯時3時間の計6時間だけの営業。1日の売上が16万~20万くらい?

人件費がバイト3人程で時給900円だとして、日/16,200円。
ピザは原価率がだいたい10%~20%らしいのでとりあえず15%で試算。
ここから平日が客入り50%下がるとしてざっくり以下のような計算に。

○内訳(25日間営業)
・売上       日/¥130,000 月/¥3,250,000
・原価15%計上 日/¥110,500 月/¥2,762,500
・人件費      日/¥16,200  月/¥405,000
・合計       日/¥94,300  月/¥2,357,500
・年間売上 ¥39,000,000
・雑費計上   ¥28,290,000
・所得税計上 ¥17,253,600

すっごいアバウトにですけど。諸々計上前なら年商は約4000万円。
ここから更に家賃やら諸々諸経費やら引いたら手元に残るのが1200万円くらいでしょうか。

割とすごい!経営者一人っぽかったので積立してないなら年収そのまま1200万円ってことですね。

何より注目がやっぱり圧倒的な人件費の安さでして、店の規模も大きくないしメニューも全然無いから店長含めて4人いればMAX12人のお客さんは捌けるのですね。





■うまい話は早々無いのでうまい話を探したり作る努力を

 というような感じでお店を眺めていると、おおよそ売上の売上なんかが見えてきて楽しい。おそらく店長らしい人は30代くらいのイケメンでした。

よく有識者界隈の人たちは「お金じゃない」という話をするのですが、それは「お金をシカトしろってことじゃなくて、お金の計算なんてしてて当たり前でそんなこと主題にしてたら何も始まらない」ってことを言ってるんじゃないかと感じています。

実際問題お金に困れば生活はできない。そうした時に周囲を見渡してこうしたモデルがそこかしこにあることに日々目を向けることは大切だなぁと感じるのでした。

いやほんと。

旨かった。

この旨いって感想が何よりも大切だとは思いますけども。