20140703
出典:いらすとや

 職場のPCが壊れたり想定外の仕事が立て続けに降ってきたりでここ2週間ほど大変バタバタしておりました。おかげでニュースもピックアップ出来ずに2週間分をまとめるハメになりました。さすがに鮮度の落ちた情報への言及もどうかとは思いましたが、一応意義ある斜め読みになればと思います。



■ニュース・経済・ビジネス・サービス

○ドワンゴ、年内に「ニコキャス」開始「ニコ生以来の大型サービス」

 川上さん曰く、ツイキャスよりも更に先を行ったサービスになっているということで、まだまだ全容は見えてきませんが一体どんな内容になるのか、注目していきたい所。
角川と業務提携したことでさらなる資本をバックボーンにしながらニコニコは躍進中。今後も追いかけていきたいニュースです。



○【速報】Kickstarter調達額Top20!2014年上半期まとめ

こうしてみると意外とゲーム系タイトルへの投資が目立っています。海外のゲームはもともとベータ版などの状態からゲームを販売して、その資金を元にしてユーザーからの声を受けてさらなるブラッシュアップをしていく、というやり方でした。

この販売方法の延長としてクラウドファンディングの相性は良いのかもしれません。稲船さんが手がけるMighty No.9も開発費をクラウドファンディングで募集して、早期に目的額を達成したことで話題になっていました。

その他にはやはり技術ガジェット系が多い模様。日本でも製本やらイベントやら様々な分野に特化したファンドサイトはあるようで、これからベンチャーの資金繰りは更にクラウドファンディングへと傾倒していきそうな機運を感じます。


○携帯「2年縛り」解消見送り 料金引き下げ道半ば 

 2年縛り故にユーザー還元も出来るという側面もあるのだけど、現状の料金プランはなんだか「知識のない人をだましにかかる」ような仕組みにしか見えないのですよね…そりゃ否定的な意見も目立つわけで、この辺りもっと明確に3社はユーザーに提示していかないと白ロムやらDTIやらで賢くなった顧客にどんどんそっぽ向かれることになりますわね…。

そんな私はドコモですが月々3400円程度での運用です。DTIに乗り換えれば1000円程度。やり方次第でなんとでもなります。



○さようなら「パソコン」若者のネット接続はスマホが主流に

 多くの人に取って従来のパソコンの利用が「ネットサーフィン・メール・ショッピング」程度のものでしか無かったが故に、超小型高機能デバイスであるスマホがここまで爆発的にヒットしたということでしょう。

私としてはこれからの時代は一層プログラミングに対する素養が必須であると感じるので、スマホにどっぷりだからこそスマホのアプリを自分で作ってみたりスタンプを作ってみたり、WEBサイトを運営してみたりなどのためにPCを活用する人が増えて欲しいなと思うのですが…。



■考え方・コラムなど

○「みんなジョブズに騙されている」増井俊之教授が進歩の止まったコンピュータのUIを問い直す【TechLIONレポ】

 タイトルが過激ですが、中身としては「消費」に走りまくっているスマホユーザーに対する警鐘のような内容。前回の就職についての記事にも書きましたが、ここまで怠惰に消費を楽しめる状況は過去にも例を見ないように思います。

ただただ今の当たり前を消費し続けた先ではたして本当に自分の頭でその情報を受け取っているのか、機械に自分の意思すら制御されていないか?みたいなことが書かれています。
ジョブズに与えられたモノに満足するのではなく、その不満点などを自分からアイデアを出して発明して改善していくことが、消費社会において大切であると訴えられています。



○シェアは人の為ならず。知っていることを他人に教えたほうがいい本当の理由

 「誰かに教える」ということはそのために自分が情報を整理するクセがつくようになるので、雑多な記憶が整理されていくのですね。教えていく人はその過程で知識がどんどん自分の中の知層として貯めこまれていく。一方シェアもせず黙々と貯めこむ人は整理されないまま情報が雑多に積み重なってしまう。

私がよくマインドログが効果があると話しているのも、誰かに発信することを通して自分の中で整理をつける事が実に効果的であるから、ということにあります。



○「命令するリーダー」はなぜうまくいかないのか? 5人の指揮者に学ぶマネジメント術

 非常に優れた記事でした。指揮者はリーダーシップマネジメントにおいて非常に大切な気づきを与えてくれるものであります。簡単に言いますと、奏者たちの力を発揮させるための場作りとしての指揮なのか、指揮者が強烈なリーダーシップでもって牽引していくものであるか、という2例に分かれておりました。
どちらが優れたリーダーシップなのでしょう。言われるまでもなく前者であります。その理屈について詳しく触れられているので一読の価値ありです。



○まだ100年前のまま、ガラパゴス化する医学部教育

 ガラパゴス化ということは発展の切り口が沢山あるということです。医療・教育・メディアはまだまだ大きく可能性が秘められた市場故に、ITとの融合が今盛んに行われております。教育アプリの開発など伸びしろがありそうなので、技術ある人は是非ともトライしてみても良いのではないでしょうか。



○チームラボ・猪子寿之:ヤフーもやめたでしょ。「ノマド」「在宅勤務」を禁止する理由

 以前当ブログでもリモートワークを題材にした本の書評を致しました。(http://majikuzu.doorblog.jp/archives/36496190.html)この本の中でも語られているのが、週に一度や月に一度は必ず会う機会を設けること。

こと、クリエイティブ業種においては定期的にしか合わないで何かを作るというのはかえってコミュニケーションコストがかかってしまうのですね。一緒に顔を合わせてその時の空気やテンションを共有しながらプロジェクトを進めないと、一々顔を合わせてはその時のテンションを再現して…なんてやってられない。

もっと言えば人を感動させる作品作りにおいて、その送り手側の人が不在な状況っていうのは結局開け透けて見えてしまったり。

この辺り「「距離」を使いこなせば様々な人間関係やビジネスで役に立つという話」にも通じる話です。距離が遠ければ心も遠ざかる。私達の動物的な本能に目を向けず、実績効率にばかり走った先にはあまり良い未来が無いのだと感じます。



○『無業社会~働くことができない若者たちの未来』工藤 啓・西田亮介著 - 新刊書評

 実際働かなくてもなんとかなるんですよね…システム的に。ニートだって「それで生きていける」からニートになるわけで、家が全焼して頼れる親族も誰もいない、って状況になれば強制的にニートじゃなくなるわけでして。
なんだか記号に当てはめてあーだこーだ言うのではなくてこの環境が生み出した歪であると認識しないと、いつまでも的はずれな論調が続くなぁと感じ、辟易します。



○「皆既月食撮ろうと思って頑張っ・・・」た人たち

 マズローの欲求5段階説によれば社会参加の不安を乗り越えると人間は次に社会承認の不安を抱え、それを解消しようとするようです。まさに今回の例はこれですね。笑える。でも、多くの人が「承認して欲しい」という欲求の段階へとシフトしているようです。

サービスやコンテンツを考える上でもこの「承認」へ焦点を当てることは大きなヒントになっていくと思います。旧来、例えばゲームなんかは社会参加不安を解消させる役割も果たしていましたが、それも今はランキング制などによる承認欲求へ偏っている感じがあります。

こういう人間の欲求の側面からプロダクトを考えるのも楽しいですね。



○経営者や上級管理職ほどサイコパスの割合が高くなる傾向。サイコパスの多い職業トップ10(英研究)

 実際数十人数百人を束ねている経営者は世間一般のまともな感性なんて持ち合わせていたら心労で速攻ぶっ倒れます。彼らにできることは「良いリーダーを心から演じる」か「心を殺す」くらいしかなくなっていくのじゃないかと感じてしまいます。景気が悪かったりするとなおのこと。

なんだかそういう心に負担かけながら働いている人たちのことを「サイコパスが多い」なんてくくりにするのはなんだかなぁと感じます。



■その他ライフハックやテクノロジー等気になった記事

○今月のアップデートでiPadにゴールド版追加、12.9インチの大型iPadの発表は来年早々か

 新型ipadについては新しいOSが搭載されるかものとの噂。WindowsRT的なものになるのでしょうか。ライバルであるMicrosoftがSurface Pro3で今年大きく注目を浴びましたから、Appleの経営状況的に見てもそれに対向するデバイスは間違いなく投入してくるだろうなぁとは思います。

しかし後手後手の戦略となってくるとなんだかすっかり以前のAppleだなぁとは感じてしまいますね…もちろんその当時よりも現在ははるかにシェアはありますが。



○トヨタ「空飛ぶ車」 誰も傷つけない未来

EV競争を徹底的に避けるトヨタ。文章見た感じですと空を飛び交うというよりは低空飛行のホバリングイメージでしょうか? 市場の健全化のためにもHVやFCVなど分散化させるよりもEVで世界のトヨタとしての威厳を示してほしいものですが…。健全な競争による産業の発展を期待できないとソニーのように追いつめられていきそうな気もしないでもないです。



○今年は本当に「動画元年」なのか?

 スマホの急激な普及やVineをはじめとしたインフラサービスが次々にリリースされており、動画を発信する環境は今年に入って飛躍的に伸びている印象です。テレビ局もついに重い腰を上げて見逃した放送をネットで見れるようにするなどの戦略も立てております。

動画元年というのは大げさな気もしますが、大きな潮流が起こっているには違いないと思います。



○ついに金属を出力できる個人向け3Dプリンターが登場

 ついに3Dプリンタの本丸が登場。鉄製品のプリントにより表現の幅が一気にアップしました。こちらも年代を重ねるごとに低コスト化、安価化が進んでいくでしょう。少しの発想と少しのやる気さえあればこれまで以上に人間はクリエイティブな思考を具現化出来るような環境を手に入れられるようになったということです。

代わりに産業がより頭を使う方向に流れるということから、普段から何かものづくりをするための頭を働かせている人とそうでない人の差というのはこれから明確になっていくのかなと感じます。

今は沢山の「チャンスの場」が作られています。あとは本当に利用する人次第になってきてるんですよねぇ。時代の変化にいかに適応し、進化を辞めないかが肝であると感じます。



○ウェアラブル・ドローンがカメラの定義を変える:腕に装着できる小型ドローン(動画あり)

 一昔前のSF映画的な事がどんどん可能になっていって、日々ワクワクします。自分をTPS視点で常に見られたり、従来の私達にとっての当たり前が少しずつ変化しています。そういえばテレビ番組でも最近はドローンでの撮影なんかも見られるようになってきました。家を俯瞰から手軽に見下ろしたり。何気ないことにも少しずつ文明の利器のバージョンアップの恩恵が伺えます。



○【動画】「まさにスター・ウォーズ」高速で森を駆け抜けるドローンの迫力

 こちらもドローンの記事。ドローンをリモコンで操作しながら視覚はドローンに搭載の360度カメラで共有。テクノロジーが新しい遊びの土台を作り始めています。この市場はこれからの伸び代が非常に期待できますね。





■今週のイチオシ

○就活失敗して良かった


 匿名で書かれた内容。就職活動に失敗してからの紆余曲折を振り返った内容で読み応えがあって大変良かったです。ここには沢山の教訓が秘められている…というものではなくて「人生とはいかに人と出会うことで左右されるか」ということと「人生とは大半が運である」ということが現れています。

割と本当に困ったことに真理なんですよね「運」要素って。「じゃあ運悪い俺はダメなのか!」っていうのは半分YESで半分NOで。

というのも運って結局「手に入れる努力をどれだけ出来たか」でしか無くて「貴方に向かってくる運」というのはそれこそ生まれた家柄やら顔やらに左右されちゃうんですよね。

半分YESと言ったのは、私達は生まれながらに圧倒的な不平等にさらされているわけです。だから生まれた瞬間に既に「選べない運」として50%の進路を定められてしまっている。だからこればっかりは変えようが無い。

しかし後の運というものは常に漂っているものなわけでして。それをキャッチしにいくかどうか、それを運だと思えるかどうか、というのは本人が沢山の知識を得てきたかとか、沢山の経験をしてきたか、とかそういうのから成り立つ。

「たまたま上手く行っただけです」というのはその運のことをちゃんと理解している。私なんかと結婚してくれる奥さんが居たのもたまたま。でも、わたしはそのたまたまのために数えきれない失敗をしてきました。

環境を恨むよりも誰かを妬むよりもとにかく運を手に入れるために行動する、この世は所詮大体が「運」であると自覚すると、案外楽に沢山の挑戦が出来るんじゃないかなと感じる次第でした。

なんだか記事の路線とは離れてしまいましたが、ともかく「運と出会うこと」そのために「誰かと出会うこと」はとても大切だと思いました。



■編集後記

 勉強する時間が失われる働き方は不味い。
明らかにここ二週間極端に情報インプットの時間が減りました。同時に視野が狭まって多角的にモノが見れなくなっている。これはいけない。特に経済系のニュースが全然追えていない。

というわけで何が自分にとって良い作用悪い作用を起こしているかというのをデータとして分析して、そこからより自分を効率的に使いこなす方法を模索するのって結構大事だと思いました。

忙しくて手作業に奔走している人は知らず知らずにどんどん自分の頭がカチンコチンになって視野が狭まってもう白か黒しか見えなくなっている可能性大なので注意です!白と黒の間にはR:0~255 G:0~255 B:0~255 の数値があるのですが、視野が狭くなっているときはこのRGB要素(光の三原色)が世の中に沢山存在していることを忘れがちになってしまいます。

ピンクとか水色とか群青色とか沢山の色が見えなくなっていたら「やばい、疲れてる、働き過ぎで今の自分はおかしくなっているだけだ」と言い聞かせると幸せになれるかもしれませんです。

いやほんと。

しかし毎日更新が随分と途絶えてしまったので今週辺りからまたペース戻していきますよー。