20140605
出典:Amazon


 基本的に私は金の話をうやむやに濁す人間は信用しません。ですが、一方でいつまでたっても金でしか物事の基準を考えない人間も嫌いです。金の話題は非常にデリケートで繊細です。

そしていわゆる経済的に負けの部類に入る人の方が、お金を嫌っている。だから仕組みも理解しようとしないし、お金がますます逃げていく。

どうせ誰も言わないのでお金にまつわる事をベロベロ垂れ流していこうと思います。


 

■この世でいちばん大事な「カネ」の話

 この世で~の筆者、西原理恵子さんは高知のスラム街(本人談)育ち。昔から貧乏な人たちだらけで、万引きだなんだは当たり前。カネに振り回され父も自殺。カネが無いから、何もかもうまくいかないのだ、と、上京して得意だと思っていた絵の学校に入るも、あまりに浮世離れした、カネの感覚のない学生だらけ。

そこで彼女はバイト掛け持ちしたりしながら、下手くそな絵ながらとにかくエロだろうがなんでもやりますよと売り込みにかかりまくった。その結果、漫画の仕事を得られる。

その後どんどん稼げるようになったある日麻雀にであってドハマりしてしまったり、海外旅行をすることで見えてくるお金の価値であったり、さいばらさんが人生とカネについて感じたことがとにかく書かれていた本でした。

特に、大切だなと思ったのは「勝てるフィールド探し」であるとも再認識。
「トップの人間に勝とうとしてるからダメ」 
「最下位には最下位なりの戦い方が有る」
「どこかに自分にしっくりくる世界がきっとある。ないとしたら自分で作っちゃえばいい」
「「損したくない」ってことばかり考えてる人間はずるくなる
「「いくら頑張ってもどうにもならない」ってことを知るのはとても大事。逃げちゃって構わない」

西原理恵子さんのお母さんとしての母性と、まるで父のような厳しさが織り交ざった何とも言えない読了感の味わえる一冊でございました。


■ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!

 基本的にはニコニコなどでの会話のやりとりをそのまま文章にして起こしているので、もし見たことがあるのであれば別に手に取らなくても良いかも?ただ色々な言葉に注釈がされているので、知らない単語も補完されておりました。

オタキングとは岡田斗司夫さんのことでありまして、本書は岡田さんが中心に話題を進める内容。この二人はとにかくまずルールを変える必要があること、そうしなければずーっとこの限界が来てる資本社会の仕組みで負け組確定である、ということを述べておりました。

ちなみに岡田斗司夫さんは以前ブログで紹介した「悩みのるつぼ」のお方でございます。
関連記事:悩みよ、さようなら「岡田斗司夫著/悩みのるつぼ」書評 

また、経済の成長が緩やかになった今は、中世の、日本で言う江戸時代頃の「評価社会」の仕組みに戻っていくのではないか、という話。元に食べログもAamzonも、今や評価を見て買うのが当たり前になっている。「値段が高い=良いもの」という時代ではなくなってきてる。このへんは世の中がFREE、フリーミアムに向かうのを前提に考えるとより実感できますね。例を上げれば無料アプリの評価とか。

そこで岡田さんは、自分の本をゼロから書いて受け取ってくれるかわからないところに何万部も作って投下する博打なんかよりも、その仕組みすら疑って、自分と仕事したい人がそれぞれ月一万円払ってくれるような仕組みにすればいいじゃないか、ということでFREEexを始めた、ということ。

社長(岡田さん)に皆が1万円毎月給料を払う。その代わり、自分をどう使ってもいい。社長が社員に給料を払う家族社会の延長がおかしくなってる、という観点。

他にも色々な話題が出ていましたが「とにかく常識を疑うところから」じゃないとダメだ、というのが語られている内容でした。




■それはそれ、これはこれ

 この本はそれぞれ極端だなーとは思いました。さいばらさんは超貧乏の下地があってこそだし、オタキングもホリエモンもなんやかんやものすごい幸運を掴んで更にガンガン進んだ人たち。

よくある啓発系の本は「お金じゃない」とか平気で言うわけですが、んなわきゃない。いや、確かにカネだけではない。でも、カネの本質が信用を表すものならば評価を表すものならば、やっぱり信用無い奴はカネを稼がにゃならない。

安っぽい「自分磨き」みたいな本で満足してちゃいけない。
有名ブロガーやら知名度の有る人の言う事を真に受けちゃいけない。人にはそれぞれその状況に適した生き方がある。

飯を食うにも困ってるレベルの人と、飯食う程度のカネは稼げるわ!飯食う宛くらいあるわ!なんて人の価値観はそもそも違う。

だから、それはそれ、これはこれ、にしておかないと。



■カネを稼ぐ過程で得られるもの、を稼いでいる自覚が持てているか

 特にホリエモンとかはそうですが、カネを稼ぐ知恵と実績を持っているから、彼にはカネが常に回る信用が生まれている。岡田さんであればガイナックス立ち上げだったり、様々な所に露出することによって岡田斗司夫という信用を創りだした。西原理恵子さんは若いころになんでもいいから描きますとふれて回って運を掴んで信用を得ている。

結局彼らカネを稼ぎながら、カネを味方につけるためにやってることって、「この人すごいなー信用できるなー」っていう自分のパーソナリティをどんどん磨いてたわけですね。

カネを稼ぐと同時に何を稼いでいるのか、私達はこっちを本質として考えていかなければならないような世の中に向かっていっているのだと思います。

何故かといえば、前述した通り既に貨幣経済の成長限界が見え、行き場を失った「貨幣経済では負け組」だった人たちが評価経済へと移動をはじめているからです。ただ高くてもダメ。ただ安くてもダメ。信用があるから、お金を払う。

こういう世の中に向かっている。

そういう世の中で、金稼ぎのみに目が向かっていると、貨幣価値が損なわれた時に、武器となる手札がなくなってしまう。ありえない?そんなことはないです。日本円がいつ信用が無くなるかなんてに、分からないわけです。お侍さんの価値が無くなったように。リーマン・ショックが起こったように。ギリシア危機が起こったように。

だから、私達はカネと同時に信用を稼がないといけない。

私達は、そういう時代をリアルタイムに生きている。

だから、会社の外にでなければならない。
だから、沢山の人に出会わなければならない。 
だから、自分の能力を伸ばさなければならない。
カネはそれに付随してくるもの。


■改めまして

 そういう意味で、この二つの本はカネを中心とした物事の考え方について「成功者は語る」な内容ではありますが、同時に私達はカネを稼ぎながら何を得ているのだろうか?何をしたかったのだろうか?という根本からもう一度振り返らせてくれる本でした。

改めて思うことは、これもっと若い頃から考えておいたらもっと何をしなきゃいけなかったのかの判断がついたんじゃないかなーってことでした。

下手なビジネス書やら啓発書やら読むよりもまずはこれ!で、いろんなものを稼いでいって人間として豊かな生活を送れるようになっていきましょー


いやホント