私は過去、上司に散々色々な罵声を浴びせられ、それを真に受けていました。私自身が上司や会社に依存せざるを得ないような精神状態になっていたといいますか。自分にはこの会社でしか給料を稼ぐ術がない、自分には才能が無いから上司の言うことに従うことによって何とか食っていけている、みたいな感覚です。洗脳なんですけども。そうした精神構造は、自分が悪者になりやすい状況を生み出します。何も会社だけにとどまらず、交友関係やサークル、部活など様々な人間関係にいえます。

今回は洗脳されている人向け、洗脳されそうな人向けに。

■例・1

 例えば会社を休みがちな上司が、大事な決め事の際に居なく、仕事の全体の進捗が遅くなるので更に上の上司に掛け合って仕事を進めることにしました。報告は翌朝に回すことにしました。そして翌朝、自分がまかりしらぬところで仕事が進んでいる事に対して上司はあなたに怒ります「何故そういう大事な事を報告しなかった!そういう話は休んでいたとしてもメールなりで一報入れろ!」と。


■自分を低く置くことによる、自分が悪者という変換

 普通に考えて「上司の言い分は分かるがちょっと待てよ」という面が多々見えるわけです。「上司が休みがちであったこと・確認がとれないことにより仕事に遅延が発生していたこと」これらを棚においているわけです。「だったら休む頻度を下げるなり事前に休みがちであることへのリスクヘッジを巡らせておけよ。休む時にその気を張らせろよ。それが上司で我々より高給貰ってる分の責任だろ。自分の思い通りにならないからって、ふてくされてるだけだろアンタは。」とも言える。もちろんこんなラフには言わないですし、この主張にだって穴は沢山あります。

さて、自分を弱く置いている人はココで変なスイッチが入ります。自分を弱く置いてしまうと「すみませんでした、そういう上司の意思を汲み取れなかった自分が悪かった。もっと事前に確認しておくべきでした」というような事を言い出します。

第三者目線から見ると何をバカなことを、と思われるかもしれませんが、自分を弱く置くということは、相手の言い分を正当化する手助けをすることに繋がります。一度自分の胸に手を当てて欲しいのですが、心当たりはないでしょうか。。。


■例・2

 あなたは部活のキャプテンでした。なかなか思うようにチームを導けず、結局1年間ほとんど大会では活躍できませんでした。部員達は各々が「監督やキャプテンのせいで私達は勝てない、しっかりやれ、責任果たせ」と言われたとします。



■反論の余地を認識する

実際チームを牽引するトップがダメだと組織は上手く機能しません。当然否はあなたや監督にあります。しかし、ここで自分を弱い立場においてしまうと、ただ謝ることしかできなくなります。ただ少し考えれば「ちょっと待て、この1年間じゃあ何故誰も私をキャプテンの座から引きずりおろそうとしなかったんだ。責任は被れ、でも自由にやらせろというのは随分都合の良い話じゃないか。」と反論できます。もちろんそんな事言えば大反発を食らって解散でしょうけど、彼らの言い分の裏側には反論の余地がある、ということを認識しておく必要はあります。

この、反論の余地を意識することは極めて重要な思考です。


■意識すべきは、隠したい意思の変換力

 例えば2例の、あなたに対して圧力をかけてくる側の人間は、自分は悪くないことを正当化するために言葉を変換させているわけです。
上司が「休んでいる間何故連絡しなかった」というのは「俺が休んでいる間に、連絡を入れるように指示しなかったからこういったことが起こってしまった、これは自分の失敗だ」というのを自分の失態としないために行っている変換です。
部活のメンバーが「監督やキャプテンのせいで勝てなかった」というのは「自分達が勝てなかったことを二人のせいにすることで自分達の努力不足や責任から逃れられる」という変換をかけられるわけです。

つまり、あなたを悪者に導こうとする動きの裏側には常に別の感情が動いており、それを彼らの都合が良いように変換している、という認識を誰に対しても持つべきです。


■悪者になり、萎縮しているあなたへ

 過去の自分に宛てる手紙、という意味合いもあります。少々ポエムくさいのはご愛嬌。

今あなたが組織や社会を生きる上で窮屈で苦しんでいるのは、あなたが言葉の裏側を探ることをやめて自分にとってマイナスになる側面ばかりを見ているからです。その相手・組織を「尊敬」したり「畏怖の念」を抱いていたり「恐れ」ていたり「依存」することによりあなたは盲目のフィルタを無意識にかけています。

人生は常に他人にとってではなく、あなたにとって都合良くあるべきです。あなたを悪者にすることで、少なくともその相手は自分にとって都合の良い人生を構築しています。だから、もうやめましょう、そんな不利な人生。そんな、不利になる考え方。あなたにとって一番都合の良い人生にするために、常に状況を色眼鏡無しに正しく見る力をつけましょう。


■真面目系クズという社会悪のカラクリ

 真面目系クズというキーワードに真剣に悩んでいる人は、真面目系クズの特徴の裏に潜む影に目を向けてみてください。真面目系クズという社会悪という人間性を作り出すことによって、そこから差別化し自分のバツの悪い部分を棚に上げることで自分の立ち位置を優位に保とうとしている空気のようなものが見えてこないでしょうか?悪者を生み出すカラクリは、結局誰かが都合良く立ち振る舞うためのまやかしです。

そろそろあなたは真面目系クズの正体に気付いている頃合だと思います。





と、いうことで現在自分が悪者で苦しんでいる人の助けになればと思います。
人間関係はある意味、変換力であり自己都合を作る競争です。

いや、ホント。