kuzu


連続エントリになりますが
次はどうして真面目系クズなんてものがそもそも生まれるのかです。


私は真面目系クズであることが長年苦痛でした。
それは、自分の性格に起因することが主な原因であり
全ては自分のせいであると思っていたからです。
もちろん外的要因は様々でしたが、そういった部分はあまり関係なく
自分の人間性がダメだから、とかなり堕ちていた時期もあります。

ですが、あなたがクズなのは、十中八九親のせいです。
勘違いしないでいただきたいのは、これは親に復讐しろとか
責任転換して楽になろう、といった魂胆の記事ではありません。
ただ、自己理解を深めるということは
あなたが培うはずだったアイデンティティを補填する役割を担います。

私は自己理解を深める中で
教育における愛着障害について注目をするようになりました。
その勉強をする中で、アイデンティティを養えなかった人たちの多くに共通することが
家庭機能の不全によるものであることが明確であることに注目をしました。

私たち「真面目」系クズの、この「真面目」というキーワード。
何故私たちは真面目なのでしょう?(あるいは「真面目」に取り繕うのでしょう)
答えは、親の過度な期待によるものです。
また、あなたの親はあなたが期待に応えなかった際に
冷たい反応、無視、あるいは両親の喧嘩など
あなたを起因とする(あなたのせいにする)トラブルが家庭に発生していたはずです。
何ら武器を持たなかった子供の私たちはこの、
家庭のいざこざを無意識に自己犠牲で解決してきました。

そうです、親の期待に応えて、真面目を演じることでヒーローになったのです。
私たちが真面目になることで、家庭は円満に行く機会が増えました。
私たちは、真面目になることで家庭のバランスを保ってきたのです。 

教育の事を調べていくと、実に面白い事が分かります。
子供は家庭の精神的な環境に応じて、病気になったりするそうです。
夫婦仲が悪い家庭の子供は、心身になんらかの疾患を発生します。
そうすることで、親同士が協力することを学ぶと、家庭の調和を保つために
夫婦の仲が悪くなることで夫婦の関係を取り持つ週間ができるそうです。




しかしながら、その代償に、私たちは「他者」の気分を中心軸にとらえた
病的なまでの他者依存、つまり自己アイデンティティを失いました。
子供の頃に一番培わなければならない自己確立の機会を
私たちは親によって奪われたのです。

なので、真面目系クズと呼ばれるあなたはきっと交友関係にも悩んでいると思います。
自分を出すのが怖い性格になっていると思います。
でも生まれもっての性格じゃないんです、それは。
そういう欠落を抱えてしまっているだけなんです。

あなたがこんなクズと呼ばれて苦しんでいるのは
決してあなたのせいではありません。
あなたの自己を殺したあなたの親のでせいです。
ですが、今更復讐も出来ません。
ですから、せめてしっかりとした親に対する憎しみを持ってください。
その憎しみがあなたのひとつのアイデンティティになりうるはずです。

残念ながら私はこの憎しみが結果としてアイデンティティの確立へとつながり
抑圧されていた視野を広げる事ができるようになりました。
また、憎むことで同時に親に対する感謝もより明確化するようになりました。
自己理解を深めることで、相手の事がわかるようになってきました。
憎め、とは思いませんが、あなたがそうなってしまった事くらい
他人のせいにしてもバチはあたらないはずです。 


最後に、あなたの苦しみは同じ育ち方をした人にしかわかりません。
真面目系クズを笑う人たちは、笑う余裕がある幸せな家庭で育ったか
その人なりのまた別の苦労をしてきた人達です。
なので、あまり周りのことは気にかけないことが一番です。
 
あくまであなたは、あなた。 他人は他人です。
他人に合わせることなんてありません。
そう思い込むことが自己確立のスタートです。


本項を書くにあたり大変感銘を受けた「愛着障害」についての書籍です。
あなたが長年辛く思ってきたことが見事に言い当てられていると思います。
あなたの人生の助けになる一冊だと思います。



■追記
関連するエントリを書きましたのでこちらも合わせてご覧いただければとおもいます。
 "他人に依存されたい依存"と"出来るかもしれない症候群" 真面目系クズがクズになってしまう理由